———酒、ギャンブル、女……。
さように自堕落な生活を繰り返す、古都アルトシュタットの僧院に暮らす青年。
欲望と快楽の中で、ときに神を信じる者としての懺悔に駆られる。
そんな青年の生活は、夜道を逃げ走って行った幼子が落としたメダリオンを拾ったことにより狂い始める……。
(第二章「一」)まで
まさに、ダークonダークな暗然とした語り口。
ゲーテ「魔王」を彷彿とさせるような、いかにも黒々しい死神のつどう地獄を見るがごとし。
序盤からすでににおう絶望感があまらなく、暗澹とした情景描写に引き込まれます。
ライト寄りなカクヨム界隈では珍しい、重量感満載の硬派なストーリーで、貴重な一作です。
みなさん、ぜひご一読ください。