「架空宗教」を含む小説

祈ることすら、許されなかった。 異端とされた者は、名も存在も否定される。 世界は「祝福」と「禁呪」に分かれ、教会はそれを「正義」と呼んだ。 異端者は奪われた祈りと存在を求め、 教…

至天教の名のもとに、異教徒エルア族と戦う粛清官の少年、ヴァン。元孤児の彼は養父に母の形見の指環を奪われ、返還の条件として法外な代価を課されていた。 母の形見を取り戻すため、ヴァン…

雪に閉ざされた辺境の地、モルヴァレス。 吹雪の夜、ひとりの青年ヒロが、森を治める子爵——ゴラートに救われた。 彼の屋敷に住まう事となったヒロは、この世界における居場所を得つつあっ…

南シナ海に位置する架空の国、メイホリア共和国を舞台にした、宗教対立、分断、米ソ冷戦を背景にしたイデオロギー対立、そして、戦争を描きます。ドクチョイ大統領による独裁政権の終焉が、メ…

　祖母のお遣いの帰り、電車に乗ろうと改札を抜けた先は、異界のホームだった。 　ホームには電車が二つ。そこに、どちらに乗るべきか迷っている女が一人。 カクヨムコン10　お題で執筆…

　西暦2037年５月。北大西洋の中心に位置するグラン・エトルアリアス共和国は国際連盟からの脱退、及び核兵器禁止条約の署名を破棄するという一方的な通告を全世界に対して発表した。 　…

「ラヴィネの海戦とは、ナストク半島のラヴィネの沖合でカラマン朝海軍と神聖同盟・エリティアの連合海軍が激突した史上有数の海戦である」 ムスタファ＝サレク『東西大陸史』「ラヴィネの…

　三十年戦争と呼ばれる戦いがあった。 　西暦1618年に幕を開けた世界最後にして最大の宗教戦争は、ヴェストファーレン条約の締結によって終戦を迎える1648年までの間に、実に延べ8…

作劇の都合上本来は実在の特定宗教の用語である単語をいくつか使っていますが、登場する宗教はあくまで架空のものです。

　第二次世界大戦直後の日本を舞台に、吸血鬼の根源を探る二人の医師。 　目覚めた真祖を相手取り、深く静かな知能戦が繰り広げられる。 　二千年に渡り継続された暗闘の歴史に、終止符が打…

　第二次大戦終戦のから数年の月日が流れた。高度経済成長期への入り口に立ち、復興に歩みを進める日本。もはや戦後ではないという言葉が囁かれる中、その裏側ではいまだに戦火の残り火がくす…

　太平洋に浮かぶ数多くの島国で構成される国家、ミクロネシア連邦。 　これは西暦2036年にその国に住む１人の少女によって起こされた奇跡にまつわる物語である。　 　奇跡とは何を指…

十九世紀初頭。 大英帝国の南に位置する島国・エルコム帝国では、恐ろしい疫病が蔓延していた。 激しい腹痛と下痢、嘔吐という苦しみが続き、顔は青白く変色させ、生きた屍のような姿になっ…

西暦2031年12月。 中央ヨーロッパの一国、ハンガリーでは国際連盟主催による特別総会が開催されようとしていた。 欧州を揺るがした難民危機から15年余り。未だに解決の兆しを見せな…

世界というのは、すなわち壺の中のようなものであり、つまるところ蟲毒と通ずるものがあるのではないか。女王だきにと、その従者きりんと世界の話。