「文芸百合部門」を含む小説

その事実を、世界で私だけが知っている。

何となく不登校になって半年くらい。別に何か辛いことがあったわけでもないし、三年生への進級も近づいてきたし、流石にずっと今のままってわけにはいかない。ねえサトーさん、やっぱり学校っ…

女子高生の「わたし」にしか見えない、正体不明の人外・シンジャ様。彼女に与えられた金色の鈴が、いつも「わたし」の足首に揺れている。 この鈴って何？　ある日たずねると、シンジャ様は答…

きっと分かり合えることも仲良くなることもないと思っていた私達。それでも私達は繋がりを得てしまった。

好狭野晶は、姪である荻原瑠衣を一方的に押し付けられ、彼女の面倒をみている。 生意気な姪の面倒と圧倒する教師の溜まる仕事に追われ、癒されようと生徒に手を出し—— ＊＊『教師が生…

わたしは友達と過ごす。この思い出もいつか忘れてしまうのだろう。一緒に食べたアイス。電車を待ちながら額の汗を拭ったこと。文化祭の居残り。

酷く美しい女性だったことを、今でもよく覚えている。コーラルピンクで彩られた唇がわたしの名前を呼ぶ瞬間のためだけに通い続けた洋品店は、今ではもう色褪せたテントにその名前を残したまま…

「大好きな人がいる。隣にいる。会話ができる。 　それだけでよかったのに、それだけじゃだめだったみたい。 　なんてことを、私は思うのです」 　 　軽い性描写があります。気分を悪く…

三人が語るのは、夜光虫のプロトコル。 刹那的な生活を送る地雷系の少女・祷子に向かって、品行方正な女生徒・志乃は、おもむろに三十万円を差し出してこう宣言した。 「買われてくれる…

共通の趣味を通じて仲良くなっていく、人気者の京香と一人ぼっちの真琴。 二人はどんな定義においても友達だった。 しかし、偶然見つけた真琴のネット配信で京香は彼女の本心を知り、次第に…

社交的で広く浅い交友関係を持つ葵と、一匹狼で近寄り難い雰囲気を持っている海月。全てが正反対で、一見交わることのないように思えるふたりの間には少し特別な関係性があった。そんなふたり…

夢を持つ貴女と何も持たない私。ある日のすれ違いによって生まれた、私たちだけの小さな葛藤のお話です。

自由奔放、好奇心盛んな清少納言と、その主で、大人びた性格の中宮定子。 ふたりの思い出語りの行きつく先は……。

大学進学を機に上京してきた少女。その胸の内には、高校の女子の一人が、ずっと居続けていた。 ※性描写はありませんが性への記述があります。R12相当。

アウトドアサークルの活動でキャンプ旅行に出かけた大学生の蒲生璃名は、同行者の高辻観苑に嫉妬の視線を向けていた。 観苑は璃名が気になっている先輩と、旅行の最中に何度も接近していた。…

アルビノの少女、前田雪は虐められていた。 彼女の親友、遥がその場面を見た時、親友は心の底から怒った。 そして、遥は偶々目についた白いペンキを手に取るのだった。

そんなに接点もなく仲良くもないけれど、同じ班になってしまった。そんな二人の修学旅行百合です。

クズしか好きになれない社会人(27)と、そんな社会人が好きな超金持ち大学生(19)の話。

大学生の凛は、親友のみのりに恋をしている。 自分のことを親友として慕ってくれる彼女に、この想いを告げるわけにはいかない——。 切ない百合短編です。 ※青春アンソロ3「青の墜落」…