「大正文学 短編」を含む小説

あの作家と同姓同名を持つ男の苦悩の日々

馬鹿な娘の物語に御座います。 お読みになる方は皆、この娘を馬鹿と笑うに違いないでしょう。 ─── 「桐野都子」という名義で書いているnoteに一年ほど前に投稿した小説をまとめ…

ちょっとした非日常と、大正文学テイストのオチあり小話です。現代なのに古臭い、そんな雰囲気を目指して書きました。 落語や講談、そういうぱっと読める一作です。

朧月夜のワンシーン。 貴方なら、何と訳すのでしょうか？

　時は大正。少女は有名な作家の死を機に、とある疑問を抱く。「有名な人はなんで偉いの？」

松方密をとりまくひとびとの話 「よし、しんでみよう」大上四助はそう考えた──「しのすけ」他、「善性」「S」など

1925年、4月下旬。桜が浅草の道を彩る季節。浅草近辺に引っ越してきた‘佐島 柾（さとう まさき）’が、 ひょんなところから‘ナナメ’と名乗る女性と出会う。 そこからナナメの行動…

　大正時代――百貨店を経営する富豪の息子・雅次(まさつぐ)。雪がちらつくある日、不慮の事故で魂の片割れのような双子の妹を亡くし、敬愛する兄の眼からは光が失われた。空いた穴を埋めよ…

尋常小学校で仲良しだった同級生は、僕が進学できなくなった時から、お嬢様とお呼びしなければならなくなった……。

これは或る「前夜」を迎えた女の話。

目覚めると、概念が消え失せた世界にいた……。 仲間や希望を探しすが、次第に自分という概念すら消えゆく。 男は何を思うのか。

ロボーという万能精密機器が西洋から我が国に導入され始めた頃、敵との戦いで死にかけた守り人の朔弥に心臓の役割を果たすその機械を埋め込み蘇生をしたが、命を取り留めた朔弥は感情をなくし…

　時は大正時代。とある日不思議な笛の音色に導かれた青年、宮森司は、満開の桜の下で天女のような絶世の美女に出逢う。どうやらその美女は桜の精霊らしくて……。 　これは桜の精霊と優しい…

庭に植わっている二本の柿の木。 仲良く毎年交互に実を結ぶ。 養子に出された主人公は離れ離れになっている双子の兄と自分を象徴しているように思えるその二本の柿の木を愛しく思っていた。…

夜ごと女を変えるような乱れた生活を送る藤沢トモヤが、ラブホテルで出会ったのは大正時代に心中事件を起こした女の幽霊だった。 トモヤは「純潔」のまま死んだ女に、心惹かれていく。 女は…

大正日本。迷信も偏見も、今以上に色濃かったこの時代に、一匹の影法師のように黒い耳の欠けた子猫がいたとさ。 お読み頂いた方ののべ半数以上が応援をしてくださいました！　こんな拙作に…

失恋して傷ついた芥川龍之介は、親友恒藤（井川）恭に、島根で心の傷を癒せ！　と招かれます。芥川は藁にも縋る思いで島根の親友を訪ねます。しかし芥川は、失恋の傷を癒して欲しかったのでし…

蝉は喚く。喚き続ける。 少女も喚く。狂ったように。 狂ったように？ 違うよ……狂っているから。 知っているよ……狂っているけれど。