「夜の底を」を含む小説

元通信兵のニーナは終戦後の今も戦場の悪夢の中にいる。 家の外を車が通っただけで怯えて物置に潜り込み、掃除機の音で暴れまわり、パンクの音で家を飛び出す日々。 トラウマに振り回される…

誰にも吐き出せない思いがあって、 生きづらさなんて抱えたくなくて、 けどだからこそ書けるものがあるって信じている。

村上茜、14歳。母一人子一人のつましい暮らし。心を病み、夜ごと孤独にさいなまれる茜が望む幸せは、ごくささやかなありふれたもの。しかし、そんなささやかな願いは、突如襲いかかってきた…

　――怖がらないで。 　何も恐ろしいことなどありはしない。

　彼女にこっぴどくフラれた叡次郎は、コンビニで出会った少女、飛鳥と家出をしようと誘われる。二人は夜の東京へと繰り出した。

炎の海で踊れ、心臓の鼓動を槌音に変え、夜の底さえ打ち砕け。 ――壊滅した都心の周辺で、行き場をなくした男たちは蠢いている。復興事業やフィルターマスク専売権、支援物資の分配を巡り、…

人魚姫は、魔女の元を訪れた…… 第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部応募作品です。

　仲間と共に魔王を打ち倒し、世界を救った勇者。 　数百年ぶりに訪れた平和な世界。しかし戦いが終わっても尚、彼は童貞だった。 「いや、勇者が童貞じゃダメだろ」 　今や王国の救世主と…

(本文より)おそらく昨日、凍えそうな夜の底に赤子を見た。その時はただの幻覚に思えたのだが、一日が経ち記憶を冷静に分析してみると、赤子を覆っていた靄が晴れ、奇妙な現実味を帯びてきた…

クロノヒョウさま2000字お題企画「とある妖精の一日」参加作品。 とある元ティンカーベル「あたし」。 とある元ピーターパン「こいつ」。 そんなだったかもしれない人間のあたしと…

Twitterのアカウントに最近（2022年10月）投稿したものです。 都会の巨大な人並みの中で感じる孤独と未来について考えました。

性癖：不穏な先輩 性癖：その場凌ぎの餞別 眠れない春の夜に過る面影。第四回性癖小説選手権に参加しました。

どんなに疲れていても、しつこく朝が訪れる。 僕は重たい僕を引きずって、「今日」を繰り返していくしか──それしか、ないのだ。

東京の地下に広がる街が治安を維持しつつ観光を頑張っている話です。ジャンルが分からなくてその他にさせていただきました。

陽の沈む直前、彼女は重い身体を引きずり、爛れるような心を誤魔化して起き上がる……

人の領分を外れたおかしな事件にだけ首を突っ込むやつがいる―― そんな噂話を聞きつけた家事手伝いの『橘カヨ』が足を踏み入れたのは、町外れの幽霊屋敷。 現れた年齢不詳の謎の男『竜胆』…

私はどこにいるのだろう。ただ夜の底にいて、どこにでもある理不尽な現実に耐えている。何故か絶望している。その正体を思索するため、ベッドに飛び込んだ。 これは過去と現在と未来を繋ぐ夢…