そして悲しみは夜を穿つ
夜野綾
第1話 【プロローグ】
夜は続いていた。
戦争が終わり、東京は死んだ。それから12年。爆撃によってえぐられた都心には、まだ人は戻れていない。
戦争前、都心には多くの人がいた。でも今、生き残ったほとんどの人々は、人間らしい生活が残っている地方へ散っていった。汚染地域という名の空白の縁で未練がましく蠢いているのは、行く場所のない者たちだ。
彼らはそれぞれが、悲しみの底をのぞきこんでいる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます