「ホラー（？）/怪談 和風」を含む小説

語り部の老人が死んだ―― 彼の死は、村を動揺させた。 この村には、語り部がいなくてはならない。 毎日、毎日。 噺を待つモノが、座敷牢の闇の奥で待っているのだから。 新しい語り部…

２００５年、平成１７年。■■とある少女は喧嘩別れをした。その喧嘩別れをした日から異変が起き愛犬が亡くなり、一年後に母親が行方不明となる。年数が経つ度、その少女の身にも異変は起きて…

２００５年　平成１７年。ある夏祭りの日。小さなボロいお社でお参りをした時、彼女は名前を失った。■■■■。彼女の名前は己の口からも、他者の口からも自分の名前は聞こえなかった。やがて…

ラフカディオ・ハーン先生の "Kwaidan: Stories and Studies of Strange Things" から、雪女のエピソードを新訳しました。エキスパンデッ…

「九十九屋(つくもや)」には、店主イズナが住んでいる。イズナは年齢不詳の男性で、泣きぼくろの美男子。「九十九屋」の1階は、効果があるのかどうか怪しい綺麗な石やアクセサリーやおみく…

幻霊生輪(げんれい　なまわ)は２４歳だ。 神主見習いをしている。 いずれは宮司として社一つを任される予定だ。 生輪は、東京のとある、神社を預かる事となった。 その神社の境内の…

この小さな村の唯一の自慢である、群れをなして咲く百合の花。それが近ごろ姿を消している。誰の仕業か心当たりはあれど、誰もその名を口にしない。僕らはいつしか彼女のことを、百合盗人《ゆ…

———祖父に呪いをかけられた。 神室來は、かつて飢饉の元凶とされた人柱を守護する「防人」という役職につく。物言わぬ遺体と向き合い、來は、古来の人々の犯した功罪に身を委ねていく。

陰陽渦巻き不可思議が跋扈（ばっこ）する日本の古都――京都。 妖に陰陽師……伝統と、摩訶不思議の力迸るこの由緒ある地に、知る人ぞ知る言い伝えがあった。 それは、“あちらから”導かれ…

山に住まうとされる、神とも鬼ともつかぬ山神。 山神に願えば、憎い相手を呪い殺すことが出来るという。 村に住む弥一は、山神の呪いを利用して憎い相手を殺すのだが……。

それは、とある田舎での物語。 ひとりの青年が雨宿りで立ち寄った、田舎に似合わぬ瀟洒な建物。 そこで現れた老人は彼を招き入れてくれたがそこには奇妙な男たち。 青年は腰を下ろしてそ…

洗髪をしている時感じる気配。 誰もいないはずの部屋をよぎる影。 扉の隙間から覗く暗闇。 不可思議で愛らしい怪異との生活。

読み取れたのは、鬼への強い恨みでした。近隣一体を支配している鬼と呼ばれる種族が人間を苛烈に支配していたのです。おじいさんとおばあさんが老老介護寸前の二人暮らしをしていたのも、鬼に…

　少年は孤独だった。少年は少女を追いかけ、一人、化け物屋敷と言われる古びた日本家屋へと歩みを進める。 　そこで出会ったのは、「陰陽師」を名乗る黒服の者達だった。国内能力者管理課—…

前作の続編です。エトピリカとは別の荒事集団“ラプトル”も登場します。 ヤンキーとお嬢様って相性が良い気がしています。

椿は、指の数しかものを数えられぬ むつかしい言葉は、覚えきれぬ しかし椿は、力だけは強かった 毎日欠かさぬ腕立て伏せ 鬼をもどつくその馬鹿さ 闇に潜むは悪党あやかし 馬鹿の椿…

　鎌倉にある、時が止ったような昔の佇まいを残す、どこか懐かしい古い町並み。 大学を中退した主人公が営む古本屋には、不思議な同居人がいた。 鎌倉を舞台に巻き起こる、怪奇談の数々…

とある田舎町「湖守」を舞台に起こる日常に隠れる非日常。 舞台設定を共有した短編連作となっています。 若干ながらガールズラブ要素もありますが、疑惑の判定レベルです。 一話完結型の…

そこに、仁科という名の若者がいるのだが彼にはどうも特異な能力があり、なんと妖を視るらしい。 雑貨屋を開いているが、扱う品はどれもこれも珍妙なものばかりで、店主自身もこれまた妙ちく…

夏目漱石作「夢十夜　第三夜」に着想を得、人間の心の中の狂気を描いています。欧米的なホラーではなく和風の怪談を目指しました。原稿用紙50枚ほどの短編小説ですのでお気軽に読めると思い…