𓆩𓆪開運雑貨店・九十九屋奇譚𓆩𓆪

ジャック(JTW)

第壱話 九十九屋のイズナ

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 ──からん、ころん。


 鈴の音が軽やかに響き渡る中、九十九屋つくもやの扉がゆっくりと開かれる。店内には煌めく石や謎めいたアクセサリーが美しく陳列され、微笑みを浮かべる泣きぼくろの美男子びなんし、イズナが佇んでいた。


「──やあ、いらっしゃい、御客様」


 その声は妖艶でありながら、どこか神秘的な魅力を湛えているように聞こえた。イズナの首元には鎖の形をした刺青が浮かび、その輝きはまるで宇宙の星々を閉じ込めたような輝きを放っていた。


 客は興味津々と店内を見渡し、その視線は地下に続く階段にも及んだ。地下には骨董品が並べられ、それぞれが様々な由来や特殊な力を持っているという噂があった。そして、その中には付喪神が宿った物品『付喪神器つくもじんぎ』もあるという。


「九十九屋」では、人間と妖怪の物語が交錯し、特殊な力を秘めた物品が取り扱われているという。その背後には、イズナの年齢不詳の姿にも何か秘密が隠されているのだろうか。


 客は興味津々のまま、イズナの微笑みに誘われるようにして、店内を歩き回るのだった。

 イズナは、まるで妖狐のように目を細めて、悠然と微笑んだ。


「──さて、本日は何を、お求めで?」


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