「遺族」を含む小説

ロボットやシステムの発展により、労働から解放された近未来。 労働という概念が無いので、皆、それぞれの特技を活かしたり、やりたいことをやって生活している。 世の中の情報をまとめ、世…

無音楽曲ブームが過熱し作曲家が鎬を削っていた。ある男が俺の曲こそ傑作だ！後の奴らは皆権利侵害者になる。がっぽり賠償金を取れと言い遺して死んだ。遺作の楽譜にはこう記してあった。俺の…

「何だ、おまえは。いったい」 「クズを殺しに来ただけさ。ザマアミロ、生ゴミ野郎、貴様に裁判なんてもったいねえ、貴様らなんざ縄で束にしてゴミと一緒に燃やすがふさわしいぜ」 　会社の…

幽霊を見る事の出来る男は、周りにいる幽霊と人間を静観しながら憂鬱に感じる。 何も分からない、何も知らない、湿った鬱陶しさしか感じられない。 己の感情を精一杯に表す幽霊達も、見…

人気ダンサーが転落死した。歩道橋から飛び降り、下を走る車の運転手を巻き添えにして。 自殺。捜査員の結論は一致していた。 しかし、遺族は言う。「あの子が自殺なんてするわけがないんで…

名跡の当主、ロデリンダが死んだ。 齢十八歳の、うら若き姫君だった。 『私に集約された我ら一族の財産権利に土地館、そのすべての動産不動産は、私の形代である姫君人形を導としてのみ、…

テレビからネットへの変遷期。 とある有名動画クリエイターが起こした〝ひき逃げ事件〟は特定厨による苛烈な追求のもと、殺害予告や放火被害、ついには加害者宅一家心中で幕を閉じた。 そ…

三十年前に起きた無差別殺人事件で、当時中学生だった涼介の父親と榎木光五郎の妻と五歳の息子が殺された。涼介は父の後を追うように警察に入りその後、『セイフプレイス』という犯罪被害者保…

夏祭りでの傷ましい事故で姉を亡くした少女・涼子。 十年後に再開された夏祭りを訪れた、涼子の胸中に広がる想いとは――。 ※初出：エブリスタ『三行から参加できる 超・妄想コンテ…

あの夏の日。 私はテレビの歌番組を見ながら、翌日の旅行に向けての旅支度を始めていた。 「そんなに詰め込んだら帰りのお土産が入らないわよ」 そんな妻の小言を思い出しながら。 テレビ…

ＡＩが身近になった近未来で人の命の価値は失われていきます。 その事を決定づける惨劇に関係する銃が、ある日盗まれます。 その銃を探す主人公がたどり着くのは惨劇の真相と、惨劇で家族を…

　散歩中に出会った青年。もしかしたらぼくは、彼の背中にむかしの自分を見てしまったのかもしれない。 ※直接描写はありませんが、自殺や虐待などの表現があります。苦手な方はご注意くだ…

初投稿です。稚拙極まりない文章ですが、読んでいただけると幸いです。～仲間を失いながらも、人を助ようとするも完璧に助けられず、遺族のやり場の無い怒りをぶつけられた男は夢を見れなくな…

少年法に守られ、刑法で裁かれることのない加害者。 精神面の問題で裁かれることのない加害者。 人を殺しても死刑にならない加害者。 人を恐怖のどん底に突き落としながら数年で塀の外に出…

*注意　本作は今から十五年くらい前に書いた話なので作中の世相、法律などは当時そのままです。またこの話は江戸川乱歩賞で二次選考まではいったのでそこそこの出来ではあるのでしょう。 …

めぐりめぐる、連想ゲーム。 悲愴な体験でさえ時の流れと共に風化してしまえる、この呑気さ。

　2019年、東京。大学生の高島 春来（タカシマ ハルキ）は、ひょんなことから殺人事件現場を目撃する。過去に両親の遺体を目にした彼にとって忘れたい光景だったが、同級生で仲のいい宮…