「青春文学」を含む小説

その人は、姉御と呼ばれている。 俺は姐御にこう言った。 「月が奇麗ですね」

夏の試合に向けて練習に励むサッカー部の祐也は、ヒグラシの声に耳を傾けた

何でもできるがゆえに何にも興味が持てない祐と、厳しい家の方針からようやく抜け出したはいいもののうまくいかないあかり、コンプレックスから勉強に望みを見出す千夏。 三人の高校生が、殻…

　柳間詩織《やなぎましおり》は中学三年間を帰宅部で過ごし、そのことに密かなコンプレックスを抱いていた。 　中学三年生の九月、詩織は小説ラブの同級生――二階堂文雄《にかいどうふみお…

掌編と短編を集めました。一つ一つの作品がそれぞれ独立した短いお話になっています。全て書下ろしですが、「人生最良の日は」は以前作者が書いた「『星と花』に寄せて」の続きになっておりま…

坂口安吾の『堕落論』に翻弄され、新しい自分になりたいと願う男子高校生の柊羽（しゅう）は、ひとりのクラスの女子に惹かれている。 種市采。身長は１８５センチあって、クラスで浮いていて…

　傷つくぐらいなら、期待しない。 　落ち込むくらいなら、何もしない。 　それで良かった。そのはずなのに…どうしてかな？ 　関係が壊れるのが怖わかった。 　あなたに嫌われる…

ある男子高校生の日常。

その恋は"HAPPY END"を迎えることになります。 【追記】 研究の方が忙しくなってきたため、しばらく休止いたします。 2021/7/3

平凡な女子高生・カンナは、ある日廃れた神社で雪女と人間のハーフ・深雪と出会う。母に先立たれ、何百年も孤独を抱えて生きてきた深雪。彼女の心を救うため、カンナが起こした行動とは……。…

主人公の「私」は、絵本作家を目指して絵を描き続けている。そこで同じく漫画家を目指す夏葉と出会い、二人はお互いの絵を見せ合うようになるが、受験の中、「私」は焦りと共に創作の期限を決…

キャンバスに向き合う茉希を尻目に、不憫だと君子は思う。夏休みであるのに、何故そこまで頑張らなければならないのか。そして何故茉希は頑張るのか。 ひらりと過ぎ去っていく、工芸高校の…

いつも緊張している同級生は外を見ながらヘッドフォンをしていた。彼に話しかける話です。

中学2年生の夏休み、僕は骸骨を見つけた。それは6年前、僕らの前から忽然と姿を消してしまった「人魚」のものだった。見た目と中身の乖離する空蝉、教室で生徒と教師の狭間を揺蕩う金魚、何…

「ねえ、海璃。宝探しに興味ありませんか？」 　僕らの住む島に伝わる宝と伝説。中学3年生の海璃は幼なじみの拓海と共に、地図を頼りに宝探しに出かける。しかし、その宝は邪悪様に呪われた…

田舎に生まれた少女の死生観。鬱屈とした街の湿気、衰退という一種の美を、世界の匂いに敏かった頃を思いながら書きました。

岸本瑞香はサスペンススリラーの新刊が気になって勉強に集中出来なかった

短編です。適当に更新していく予定です。

六月。雨。変わることのない日常。劣等感と喪失感。仲の良かった友人の離反。女子高生の岩瀬瑞香は退屈な日常をもてあましていた。逃げ込むようにして通う図書館で、ある日彼女は千秋という女…

火曜日にだけやってきた男とその失踪。 カラー暗室の通路で迷わないための方法。