「江戸（のよーな）時代」を含む小説

これも中国の古典の翻案です。 『名探偵、母上』としたかったんですが、流石にこの時代に名探偵はおらんやろう、と。 あと感情移入しやすいように、中国を日本に、時代も江戸時代の商家…

水飲み百姓の娘、多津は、村名主の家の奉公人として勤め始める。同じ奉公人の又吉やお富、八代と日々を過ごすうち……。あの日の晩に、なぜ自分が泣いていたのか。あの時になぜあたしはついて…

さらなる剣の道の高みを求め、江戸留学を希望した武次郎であったが、向かったのは国の外れにある豊かな自然に囲まれた農村だった。 思いがけぬ出会いのなかで、武次郎は己を知り、人と剣の道…

旗本の嫡男である冬野は、雪の中、傘もささずに立ちつくしている千夜と出会う。 大店の一人娘から、ぞんざいに扱われる妾に転落した千夜は死にたがりで、けれど死に至れない理由があった。 …

一八五三年（嘉永六年）、アメリカ合衆国の軍人マシュー・ペリー率いる艦隊が浦賀沖（現在の横須賀市）に現れた。 異国の船に恐れる人々を尻目に、かわら版屋の京一朗は大喜び。 恐怖心を煽…

お定まりの交通事故、そしてタイムスリップと、もう何番煎じだとの突っ込みは受け流して、懲りずに書いてしまいます。

『✕』１ 『✕』印は、コンテストに落選した作品の刻印です ☆恐竜と人間が共存する、不思議な江戸時代──白亜長屋に住む、娘岡っ引きの人間『恐華』が、上司同心でブラキオザウルスの…

　【『荒磯の姫君（中）』の続きです】 　嵐が去り、お姫様のもとを訪れた相瀬に、お姫様はすべてを打ち明けた。その昔、このあたりを荒らし回った「鬼」の正体、そして自分にもつながる罪の…

今夜は刀の野郎がなかなか帰って来やしねぇ。 時代は変わりつつあるってこたぁ、目の利かねぇ俺にだって分かってる。 それでも、俺達のご主人は立派なお侍さんなんだ。俺達は立派なご主人に…

【第9回 角川文庫キャラクター小説大賞１次選考突破作品】 飽くなき欲望により煌々と輝く吉原遊郭。その吉原において最高位とされる遊女である夕顔はある日、八助という男と出会った。吉…

舞台は江戸時代の冬の東北。 雪の中を妖し退治屋の浪人者、日暮勢三郎が行く。 美しき雪姫、元修験者の造六との出会いと旅。 雪をテーマにしてます。冬季に執筆しますので春が来れば一旦…

神坂（こうさか）藩の下級藩士、田原総一朗は、その舌で名だたる八十八人の論客を打ち負かしてきた青年。付けられたあだ名は、〈米寿侍〉。 　その総一朗に、今回も難題が持ち込まれる。 …

月尾藩家中島崎与十郎は、身内の不義から気を病んだ父を抱えて、二十八の歳まで嫁の来手もなく梲（うだつ）の上がらない暮らしを送っていた。年の瀬を迎えたある日、道場主から隔年行事の御前…

とある工房で働く刀鍛冶の少年、鉄平。 彼は、亡くなった先代の跡を継いだが、うまくいかない。覚書通りに刀を打ってもできるのは、なまくらばかりだった。 ある日のこと、相変わらずなまく…

江戸時代。大店の跡取り娘の綾乃お嬢様は、花見に猫の小夜を連れて行きたいと言い出すが── KAC2022参加作品です。 第9回目お題：猫の手を借りた結果

　大通りから二筋ほどにお堀側。 　杉の板塀に囲まれた一軒家は、贔屓の旦那さんに口をきいてもらったものの、祇園で芸妓をやってた頃に上手に溜めたへそくりで手にした、おたかの城である。…

むかしむかしの、お話です。 長い長い戦乱の時代がようやく終わり江戸時代になったばかりの頃の京の都。 誓願寺のご門前の石段に腰かけて一服していたご隠居の前に、小僧が一人泣きながら…

関ヶ原の合戦後、敗北を背負った男達は己の道を進んでいく。 一人の男は旅僧として各地を回り、滝浴びをしながら己の生を顧みる。 ある村に行き着いた僧侶は慎ましく暮らす父娘の侘蔵（わ…

刑場の手伝いを生業とする非人の娘、秋津。その刑場に、郡代見習いの検視役としてやってきた元宮恭太郎。秋津に叱咤されたことが切っ掛けで、恭太郎はいつしか秋津に想いを寄せるようになって…

若き大身旗本、上月左馬之介は天涯孤独。気鬱の病で夜な夜な屋敷を徘徊している？ 【KAC2022参加作品】第1回お題「二刀流」