「和風 すれ違い」を含む小説

昔むかし、とある海辺の町の大晦日。余四郎と寅吉は、明王様の祠を見張る「供物番」に選ばれた。二人は自分の居場所を見つけられずにいる半端者同士。町へ越してきて二年目の余四郎は、林の奥…

　＜概要＞ 　五芒星によく似た島がある。一番の上のとんがりから、【木ノ国】【火ノ国】【土ノ国】【金ノ国】【水ノ国】、そして真ん中にある【日ノ元市】。５つの国と１つの市に支配された…

かつて鬼によって都が壊滅した、とある国のとある美しい里。 何もかもが穏やかで優しい、強固な結界によって安息を得た里で、七年に一度の鬼を払う儀式――追儺が行われていた。 その里で…

金で買われて嫁いだ先は、初恋相手の家だった。 幸せの絶頂な嫁とそれを知らない夫との噛み合わない新婚生活が始まった。嫁の想いは夫に届くのか？恋愛ときどき魍魎退治のラブコメディー。

私は今日、顔も知らぬひとのもとに嫁ぐ――。 雨月智世（うづき ともよ）、20歳。婚約者の玄永宵江（はるなが しょうえ）に多忙を理由に結納をすっぽかされ、一度も会えぬまま今日に至っ…

第二部「鬼哭の鏡」第三幕「不穏の足跡」の小話。 その後の真樹の話です。

芸者の明子は青年に呼び止められた。立ち寄ったカフェーで訊かれたことは、かつて別れた智昭のこと。カフェーの奥から聞こえる鼻唄に想い出の音を重ね、明子は口を開く。 ゆあん様主催の自…

　友人に借りたラノベから眩い光が発生し、目を開くと、「徳」はラノベの舞台である戦国時代に居た。しかし、確かその小説の中の「徳」は真田幸村の婚約者で且つ、悪役令嬢的と言われるお姫様…

周囲の思惑によって婚礼をあげさせられた、帰蝶と義高。 彼らは、とまどいと気まずさを理由に、まったく歩みよれていない。 そんな中、帰蝶のまわりでは不愉快なことが続いている。 義高…

側仕えのスイは敬愛する主、慧泉（けいせん）の元で満ち足りた平穏な毎日を過ごしていた。だが、それは過去から目をそむけた二人が築きあげた偽りの平穏だった。 ある日、そんな二人の元に国…

鬼哭啾啾（きこくしゅうしゅう）――“悲惨な死に方をした者の浮かばれない亡霊の泣き声が、恨めしげに響き渡るさま”　想い人であった少女の死の真相を探るべく、少年は奔走する。しかし、荒…

十数年にもわたる戦が終わった。 姫であった波璃（はり）は母と姉を失い、家を継ぐことになる。伝承に従い宛がわれた結婚相手。それは、姉の上官のフユツキだった。 大切な人間を失った傷を…

幼い頃に結婚の約束を交わし、そして初恋の相手・明楽（あきら）に嫁ぐことになった縁（ゆかり）。 そのことに喜びを抱いたのもつかの間、彼女は彼に「覚えていない」と突き放されてしまった…