「ため息 カクヨムオンリー」を含む小説

運動が大の苦手である小学校6年生の高峯美奈は、1月末に行われる校内行事である『長縄飛び大会』に深くため息をついていた。 ｢今年も、長縄を回す役で良いかな｣ 三学期が始まって早…

　気が強い幼馴染・茜にいつも逆らえない俺は、今日も今日とて放課後に、呼び出されるまま彼女の部屋へと出向いた。 　呼び出しておいて居ない彼女に一つため息をつきながら、いつもの定位置…

　父の仕事の都合で東京へ転入する羽目になった桜木 海。　 　田舎者らしく東京と言う街へ期待があればよかったのだけど、そこまであこがれとかは無くダンスメンバーと楽しく地元の大会に出…

　杏子（あんず）は杏の精霊である。名字はまだ無い。 　季節は春。華やかな桜に隠れて、控え目な花を付ける杏を観に訪れる者はほとんど居ない。 　それでも彼女は信じていた。いつの日か杏…

食糧増産のため夜がなくなる。 それを知った夜の住人たちはため息をつく。自分たちは無用なのか、と。

神は存在する。しかし、神は万能ではなかった。 神は自身の作った世界に満足していた、しかしその世界に紛れ込んだ邪心をどうしても許せなかった。 神は自分の創造物に手を出せない。だから…

～ある日の本庄の部屋にて～ 私がコップに注いだカルピスを飲んでいると、さっきまでストローでカルピスをぶくぶくしていた深谷が口を開いた。 「ねぇ、はじめちゃん」 何だ？と視線で問う…

うどん大好きな小学生、白太は東京から香川に引っ越してきた。 鈍臭い性質は自覚あり。 運動音痴の劣等感は帰り道の缶蹴りで炸裂。缶を蹴っても横道にそれるだけ。みんなのランドセルを持つ…

登校時よりも、下校する時の方が感傷的なことを考えてしまうものだ。 明日から夏休みを迎える7月の最終日、佐川涼助は、いつものように友人の直輝と昴とともに学校からの帰途につく。 歩…

〈青木の街はまだ春が遠いシリーズ〉 略して、青春(アオハル)シリーズ。 ※受験勉強に専念する為、1月26日まで連載を停止します。申し訳ございません。 前編 「花瀬理佐の遠鳴り…

五円玉を大量に貯金し、素敵な男性との「ご縁」を求める少女・双葉はいつも憧れの男性像を妄想していた。 でも現実はその妄想話を仕方なさそうに聞いてくれる親友・小百合と過ごすだけのち…

強面の父親がある日連れて帰ったのは、強面のお嬢さん（生後45日、入れ墨あり）でした。 でかくてごつくて、甘えん坊でインドア派なジャーマンシェパードの話。