概要
ため息の数だけ色んなものを諦めて、大人になるって思ってた
登校時よりも、下校する時の方が感傷的なことを考えてしまうものだ。
明日から夏休みを迎える7月の最終日、佐川涼助は、いつものように友人の直輝と昴とともに学校からの帰途につく。
歩き慣れた帰り道で、普段とは異なった状況して夏休みを迎える涼助たち、高校生。
「青春」とは何か。「大人」とは何か。
絶望の状況の中で、僅かな光を見出そうと懸命に生きる、平凡な高校生たちの話。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!奪われた青春。彼らの思いはここにある。
短編を募集にかけた自主企画にて応募され、16000文字という結構長めな作品が目に留まり、読みました。
起承転結がはっきりとした作品、というよりは実話のようなリアリティに満ちた作品です。
確かな文章のメリハリがあって、読みやすい感じがして、お勧めできます。
特に、縦書き表示にして読むといい感じでした。
そして、何よりも、今を生きる現役にしか書けない作品であり、僅かな光をタイトルに掲げる通り、暗闇の中に灯る小さな光が読者にも伝わると思います。
コロナによってすべてを奪われ、失意のもと、無為な日々を送る主人公のもとに、友人たちが駆け寄り、互いの思いを確かめる構成がとても素晴らしいです。
作…続きを読む