「ただわたしだけが」を含む小説

短編です。 父は毎日、決まって林檎のデッサンをする。過去に大きな賞を取った売れない絵描きだ。 わたしは父の横顔を見て育った。 わたしの周りにはいつも静けさがあった。 そんなある…

右目に猫の魂を、下腹に魔女の魂を抱え、死ぬことのない娘「化け猫ユエ」 死ぬことはないが、死に瀕するたびユエは思い出を喰われ、なくしていく。 そんな中での結婚生活が終わり、未亡人と…

動かなくなった妻を車に載せて山へと運んだ帰り道、夜のダムで少女と出会った「私」。ひとりの男とふたりの女の深夜のドライブの物語。 　　　◆ 新しいものが進まないときは古いものに…

小学五年生の美恵子には、気になる男の子がいた。 ちょっと太めでいつも汗をかいている男の子。 特技は食べることで、ちょっとドジ。 クラスの他の女子からは嫌われていたけど、明るいその…

毎日生きてる中で、たまたま手に取った本の影響なんかで、ルーティーンというかこだわりがだんだんできた。 いろいろあるけど、生活を大事に優しい時間を生きたいなーと思ってます。 昨日、…

鋭角三角形の如く尖った感性と毒舌を持つ痛々しい中学生、祭田礼。両親の虐待から逃れるために来た地元の書店にて、ライトノベルコーナーの帯にふと気が付く。アニメ化、アニメ化、アニメ化の…

9月1日、始業式の日に私は「わたし」と出会った。

　――少女は人々の想いをのせて、「ソラ」を目指した。 　どこか遥か遠くにとある星が存在していた。その星では身分と階層が区別されており、身分の高い者は地上に住み、低い者は地下に…

わたしはバディ。世界一の悪魔（デーモン）ハンターだ。どんな悪魔も退治してきた。そして今、目の前にいるのは、人間の女の子。 司教の法衣を着ているけど、何かの間違いだ。彼女の赤い目、…

愛されてるの？惰性じゃないの？そんな疑問をわたしは持っていた。 そこに現れたのは、天秤を持った女神だった。

高校二年生の黒汐彩日《くろしお　あやひ》は他者を拒絶していた。 黙々と授業を受け、休み時間は本を読み、昼休みは屋上で映画を観て一人過ごす日々。 ある日、そんな彩日と交流を図ろうと…

実親からの虐待をうけて育った樋口愛実（ひぐちあいみ）。愛情たっぷりのシングルマザーが育てた一人息子 大野懐空（おおのかいあ）。 二人の出会いは散り行く桜が見せた幻想と言う愛実。ど…

いつも通りの昼休み。いつものように図書室へ向かう栞の後を、いつものようにわたしも付いてきた。 いつもと同じ昼休み。いったい何が『ないしょ』なんだろう？

ある夜のこと、わたしは友人に突然ドライブに誘われた。

宮吉橙也と杉里莉桜は幼馴染み。昔は内気だった莉桜は、なにかと言えば橙也につっかかる、強気で才色兼備な少女に成長していた。 そんな彼女に自分なんか相応しくないと思いつつも、橙也は…

天才ピアニスト日向春馬と永遠の二番手以下の望月冬実。 才能の及ばない彼女の半生は、彼への嫉妬がすべてだった。 ※第一回遼遠小説大賞参加作品 企画の裏テーマが「小説はどこまで…

お題は【さつき】です。 さつきの花が咲く庭で、その女性は戦地に向かった恋人の帰りを待ち続けていました。 けれど、やがて彼女の身体は病に侵されてしまい――

ロンドンで生まれた。それからパリに行って、幼稚園に入って、可愛いフランス人の女の子イレーヌちゃんと出会った。イレーヌちゃんのママは日本人だから、イレーヌちゃんも日本語も話せる。イ…

スペインの詩人・ヒメーネスが著した叙事詩集『プラテーロとわたし』を媒介にした初恋は、図書館の書棚で生まれた……。