「殺伐」を含む小説

災厄によって荒れ果てた世界で、少女たちは互いを求め合い、名を呼び合った。その記憶がたとえ遠いものになろうと、その心には淡い炎が灯されたままになるとも知らずに……

王が崩御した。その知らせとともに知らされたのは「王位を手に入れたくば、赤き冠を手に入れよ」という遺言だった。 死神姫と呼ばれる第二皇女クラウィスは王位を手に入れるため、最も無慈悲…

「殺伐感情戦線」の「鍵」参加作品です。 姉が数年間、監禁していた少女・カレンを見つけてしまった「わたし」。姉の部屋に隠してあった鍵束で、彼女を拘束している手錠を外そうとするのだ…

「殺伐感情戦線」の「荒廃」参加作品です。 大震災のあと、人が暮らせなくなりゴーストタウンと化した住宅街を縄張りに、不良たちとつるんでいた「わたし」。だけど仲間たちは次々に消えて…

神が人類に殺伐を敷いた時代から歳月が過ぎた。戦争は今でも続いている。廃墟で濡れそぼる雨に打たれながらシャンソン歌手が抒情するのだ。人類に何があって、何がおこりつつあるのか。その事…

　毎週金曜日、深夜、大学の休憩スペース。僕は師匠と話をしながら将棋を指す。師匠はいつもつかみどころのない女性。何を考えているのか、僕にはよく分からない。でも、将棋が好きなことだけ…

「殺伐感情戦線」の「旅」参加作品です 列車や船を乗り継いで何日もかかる山奥に、恋人・ベルベットの故郷はあった。ロンドンからふたりでその故郷の村へとやってきた「わたし」を出迎えた…

あるドラマを見せた『先生』は『あたし』と旅にでる。 殺伐百合お題『旅』

Twitterで「文字書きワードパレット」をお借りして書いたショートショート。 お題は「Top-secret（スーツ、水槽、塞ぐ）」

学生時代に恋人だった立川有希(たちかわ ゆき)と再会した浦部千尋(うらべ ちひろ)。突然の再開を果たしたふたりの運命は……

「殺伐感情戦線」の「再会」参加作品です。 小学校のころ、1年間だけ同じクラスだった沙希ちゃんと街中でばったり再会した「わたし」。だけど、沙希ちゃんの様子は昔とはぜんぜん違ってい…

もしウマ娘の世界に優秀な哲学者と数学者がいれば、「この世界にウマがいないのはおかしい」と気づくのでは？と思いこの話を思いつきました。ウマ娘を知っている人はスイーツ娘のところをウマ…

太陽のように眩しいあの子が嫌い。 太陽なんて、誰のものにもならないものに憧れてしまったあの子が、わたしは大嫌い。 そんなあの子の顔を歪められたなら、わたしはなんでも……

舞台は共産党一党独裁の国ロマニオ。秘密警察に所属するイオナは、士官学校に生徒として潜入することになる。そこで出会った先輩ルイザは、優しくて格好良くて素敵な人だった。

「殺伐感情戦線」の「現」参加作品です。 ずっと遠くから憧れのまなざしで見ていた「女王」が、結婚すると聞いたわたし。夜に紛れ、夢のような一夜限りの謁見へ向かう……

なんちゃって時代物『太陽』みたいな『先生』に憧れる女性の話

「殺伐感情戦線」の「太陽」参加作品です。 盲目の少女・陽子の世話をしながら、いっしょに暮らしている「私」。陽子は日向ぼっこが大好きなのだが……

森の奥深く。そこに住むのはひとりの魔女と、魔女に拾われて育ったひとりの少女。ふたりの静かで満ち足りた生活の、その根幹にあるものは……

この村では村人全員が人を呪える。しかし、村は平和でみんな幸せ。その理由を、久しぶりに村に帰ってきた記者が暴く。 この短編小説は、僕が書いているダーク百合短編集『夕喰に昏い百合を…

「殺伐感情戦線」の「決意」参加作品です。 革命。その締めくくりに断頭台で処刑される王女リリシア。その執行をするのは、幼馴染のクロエだった。