ただ将棋をして話すだけ

作者 takemot

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★★★ Excellent!!!

登場人物が将棋をさして会話するだけ。
将棋の内容には踏み込まないのですが、それでいて将棋の魅力は伝わってくる。
変な将棋小説と語られてますが、個人的には、理想的な将棋小説でした。
ホントに将棋知らない人にも伝わるというのはこんな小説なんだろうな、と。
一気に最後まで読み切りました。面白かったです。
こんな小説書けるの羨ましいな、と半分嫉妬も込めて⭐︎3評価させてもらいます。

★★★ Excellent!!!

毎週金曜日の深夜、大学の休憩スペースで高校生の弟子と大学生の師匠は将棋を指す。基本的にシチュエーションはその一つだけ。それだけなのに、様々な気持ちと情景が交錯する。

将棋を指すごとに二人の距離は近くなる。その歩みは遅いが、もどかしさを感じることはなく、しっかり確実に近くなる様子はどこか温かくてほっこりする。

そして、徐々に明かされる弟子と師匠、それぞれの事情。お互いが踏み出す一歩が同じ歩幅だからか、多少のトラブルがあっても安心して見ていられる。

秀逸なワンシチュエーション映画を彷彿とさせる物語の作り方が面白く、また将棋に馴染みのない人でもすんなり読める。

★★★ Excellent!!!

 ただ将棋を指し、話をするだけとはいいますが、この時間の使い方が、実に豪華で贅沢なものである、と読者の心に残る物語です。

 深夜の研究棟で将棋を指し、取り留めのない、ともすればヤマもオチもない話と取られかねないですが、それを「日常」と解釈できる語り口を備えていると感じます。

 日常に多くのものを求めてはならない、という事ではなく、ただ二人だけで満たされた世界が描かれているからです。

 そして、それだけでなく物語が大きく動くであろう発展性も垣間見える数話に跨がるエピソードもあり、そのアクセントが面白いです。

 歩は一歩ずつしか進めませんが、敵陣に入ったら金になる…しかし金より貴重な二人の関係であると感じさせられる物語です。

★★★ Excellent!!!

将棋盤は平坦です。
9×9の81マス、非常にシンプルなもの。
ただ、駒を並べると無限の広がりを持つ戦場に様変わりします。

本作はタイトルがシンプルで、タイトルから察せられる内容も至って単純そう。
そう考えて気楽に、ひとさし……もとい、ひとたび本作に触れると、引き込まれます。
内容は単純な会話です。
一話も短い。
だけれど、奥が深い――。

話を読んでも、ストレスは感じません。
会話からは暖かい雰囲気が伝わります。
内容は単純であり、想像を働かされるところもありますが、自分に合わせて読み込んでいけます。
簡単に言葉を流し読みすることもでき、言葉の意味を追って師匠と弟子の内情を突き詰めていくこともできる。
サラリと雰囲気を楽しむこともでき、文字を読み込んで内情を考察していくことも可能なのです。

これは凄い。
本作はラノベです。
ラノベはキャラクター小説です。
しかし、本作はキャラクターというより、会話がメインの作品に仕立てられています。
しかし、キャラクターが立っている……。

単純そうな会話のなかに、無限の広がりが秘められているのです。
まさしく、盤上に広がる無限を追うが如く――。







★★ Very Good!!

大学生の「師匠」と高校生の「僕」が向かい合い将棋を指すだけ。
そう書いてしまえば何でもない、物語にすらならないと思える。
穏やかなふたりの時間は、そこに流れ、留まらず、流れる。
互いに対する思いを、慈しみ、愛おしみ、育てる。
他愛ないお喋りと思考の交換が、どこに辿りつくのか、通り過ぎるのか。
和みや癒やしだけではない、優しくも芯をもった物語です。

★★ Very Good!!

無知なもので、将棋のルールが全然わからなく、そのせいで理解できなかったら申し訳ないなあと思いながら読み始めたのですが、杞憂だったのでほっとしています(笑)
ひと話ずつ、僕と師匠の会話が記されているのですが、お互いがお互いの存在を必要としている様子がなんともいえずほっこりした雰囲気で良いです。年上お姉様でちょっと素直になれない師匠と、素直なんだけど時々鈍い僕のその先が気になる、甘酸っぱい作品でした。
話の長さもそんなにないので、朝の電車でさくっと読んで、いい気分のまま職場や学校に行けそうな作品ですね。今のところ序盤のみですが、楽しく読ませていただきました。これからも頑張ってください。

★★★ Excellent!!!

ただ将棋を指しながら話しているだけ。なのにこの距離感が心地いい。
〇.5話パートのなにか裏がありそうな雰囲気と通常の話のギャップもよく、深入りはしない2人の距離感も心地いい。
思わずクスッとしてしまう時もあれば、登場人物達の素顔が気になって仕方ない時もあるが、それも全て含めて心地いい小説だ。