沖綱真優

魅力的な短編です。
不幸体質に生まれついたヒトたちの愉快な宴。個々の不幸の所以も練られていて面白い。不幸といえど悲壮感はなく、読後はハッピーな気分になります。

身分違いの、悲恋。 この物語はしかし、そんな易しいものではありません。 主人公の心が切々と訴えてくるのです。 鮮やかな情景が、美しければ美しいほど残酷であると。 細やかな幻想が、…続きを読む

中学生になった幼馴染の男女のすれ違い。それぞれの視点から心の襞を丁寧に描かれています。 文字を追うこちらの胸まで苦しくする描写を、恋に憧れる少年少女たちにぜひ読んでもらいたい。 甘…続きを読む

生まれつき醜悪な貌を持つ男の恋愛譚。 展開にも文章にも派手さはない。 ただ淡々と男の半生が語られる。 だが、内容は凄惨であり、同情を寄せるにも、男の相貌を思えば致し方なく感じるのだ…続きを読む

人は心で以て幸せを感じる。 何気ない一瞬に幸せを感じるとき、心が暖かいと我々はいう。 では、心とはなんだ。 感じるとは畢竟、脳内物質の分泌であり、究極的には脳だけがあれば、容れ物た…続きを読む

誰かの生き様を否定するのは簡単で、肯定するにはエネルギーを要する。 真っ直ぐ見詰めて切り取る視点は、優しいといえば陳腐で、愛といえばありふれている。 この作者の物語には誰かのささく…続きを読む

本作はテーブルトークRPG「ソード・ワールド2.5」リプレイ作品であり、TRPGになじみのない方には敷居の高いものだろう。 が、はっきり言って勿体ない。特に冒険モノを好まれる方、書…続きを読む

大学生の「師匠」と高校生の「僕」が向かい合い将棋を指すだけ。 そう書いてしまえば何でもない、物語にすらならないと思える。 穏やかなふたりの時間は、そこに流れ、留まらず、流れる。 互…続きを読む

家族思いの優しいゾンビ爆誕。
今日も噛みたい欲求と闘いながら日常を生きる(死んでる)ゾンビ父に幸あれ？！

魔王様、技が欲しいを枝が欲しいと空目して、ひのきの棒を探すお話なんだと思った私をお許しください。

・・・突っ込もうと思いましたが、ネタバレになるので控えます。

難しいこと、ってなんだろう。 魔法を使う理論、建物を作る図面、金儲けの仕組み。 主人公はそんなの分からない。 でも、分からないことを仲間に任せることができる。信じられる者を選ぶこと…続きを読む

なんでやねん！

トンデモ科学への耐性を付けるためにもぜひとも中学高校でこの作品を取り上げていただきたい。

年輪、奥行き、何というのが相応しいのか浅学の身にて分かりませんが、人生の先輩の紡ぐ物語には、軽々しい絵空事を超えた魅力があります。

中高生諸氏、刮目。 「白紙の進路希望調査票」を提出すると担任からプロポーズされてしまう！ なんて怖ろしい。 真面目に将来を考えなくては！ ・・・真面目に考えた結果、イケメン教師と結…続きを読む

日常を切り取った少し不思議なショートストーリー。 切り取られているのだから、それが登場人物にとって日常なのか或いは非日常なのか、覗いている私たちには分からない。 けれど何でもない日…続きを読む

タコでなくても良かったか？
いえ、タコです。
やはり何といってもそれがタコであったから、きっと彼は新しい彼になれたのです。

ホラーと聞くと何処かの場面でキャーと叫ぶものかと思いがちだがそうではない。 ガタガタ震えて夜トイレに行けなくなるということもない。 ただただ気持ち悪い。 そこにある不快感に虜になる…続きを読む

あぁ人は笑うために生きているんだ。 と解るお話です。 この方のネタもお姿すら拝見したこと御座いませんが、何となく読み進め、何となく笑ってしまいました。 くすりとでも笑みを浮かべれば…続きを読む