「青春文学」を含む小説

傷跡は治すものじゃなくて馴染ませるもの

十七歳の僕が今、十四歳のこと話す。長い話だ。 あの時は、あの時にとっての「日常」だったのかもしれない。だけど、やっぱりあれば「特別」だったような気がする。 思い出せばいつも咲いて…

高校生活ももう終わる。「わたし」と「彼女」は、部屋のベランダで、三年間の高校生活を振り返っていた。入学したときのこと、クラスでのこと、部活でのこと、一緒に遊んだときのこと。たくさ…

電撃大賞四次審査進出作品 ストーカーの男が、恋愛成就のために、スピッツを口ずさみながら奮闘する話です。

　どこかの地方都市の中学校に通う3年生の藤木には、ちょっとイカれた友達の川口がいる。近所のゲーセンに入り浸ったり、喧嘩をしたり、普通に勉強したりする日々。そんな平和な日常を壊すか…

今話題のタワマン文学（広義）のようなものを書いてみました。 阪急大阪梅田から十三までは、3路線が並走する一種特別な区間です。ここを舞台に、大阪へ移り住んだ若者の人生を描いています。

学校の離れ校舎、その図書館では、神隠しの噂があり、誰もがそこに行くのを避けていた。そんな誰もいないはずの図書館で、教室から逃げ出してきた「わたし」は、名前も知らない「彼」に出会う…

「俺はお前が好きだ」と、幼馴染が蛙に想い人を重ねて告白していた。それが意地悪な質問だとわかっていたのに、シュールな光景に思わず「本人に直接告白しないの？」と笑ってしまう。私は彼の…

中学生。私は隣の席に座る「伊織ちゃん」という少女と出会う。美しい彼女は私には何でも話してくれるのだがなぜか万引き行為まで私の目の前でしてしまう。 なぜ伊織ちゃんは私と仲良くして…

平太が生まれ育った北陸の街は冬の間、白い雪に覆われてしまう。 その街で生まれ育った者は皆、仲間となる。 そして、街を出た者は皆、よそ者になる。 目には見えない小さな掟が全ての街か…

人の入れ替わりが多い僕の職場にはおっちょこちょいで有名な人物がいる。 それがシンゴちゃんだ。 もうすぐ40になるシンゴちゃんが、なんと恋をしたのだという。

学生時代に遊んでいた吉祥寺。町は変わってしまったけれど私たちは変わらない。 変わらないのも悪くない。今も昔も、そしてこれからも武蔵野は我が青春の地なのだ。

小さな頃、誰もが手に入れられるはずの「未来」はとても輝いて見えていた。知らない誰かとのそと約束は、僕の所へはやって来なかった。

夏休みも終盤に差し掛かったある日、男子中学生・景は友人の秋也から誘われて近所の雑木林で肝試しをすることになり…… 第３回角川武蔵野文学賞ライトノベル部門参加作品。

最低で最悪な女と別れた後、友達がホームレスになった。 ここにはうだつの上がらない毎日しかない。それでも、俺は東京にしがみついている。

扉を開けるとそこは異様な世界だった。 薬品と花の混じった匂い。 できたての建築物の香りと、ちぐはぐで統一性のないこの空間が、これからの新しい生活と風変りな二人の関係性を示している…

友人と喧嘩をしてしまった倉持佳代子は、手紙を書いた。 不用意な発言をして悪かったことを謝り、どうしてすれ違いをしてしまったのかを語る。 人の目を気にしすぎて自分の行動を制限する…

毎年、全国学校音楽コンクール(参考：https://www.nhk.or.jp/ncon/music_program/index_2023.html)では、青春と掛け合わせるとス…