深夜にふと目が覚めて、スマートフォンを見てしまうあの明かりの中。この物語の舞台はとても狭い空間ですが、それが返って、身に染みる妙にリアルな寒さを表現しています。読んでいるだけで指先が凍えるような、瞼にスマートフォンの画面の灯りがこびりつくような。それでいて、傷跡は治すものじゃなくて馴染ませるもの、という言葉がこの物語のすべてを物語っている、不思議なお話です。
good
朱璃さんのレビュー見て来ました。LINEあるある、わかります。更新されないまま下に残ってる消せないやつですね。怖くて下を見れないやつ。彼女はもう少しで立ち直れそう。下にさげて、開けるなら立派!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(256文字)
本作は夜に一人、ほんの少し淋しさを覚えた時に読むのがオススメです。特に今、冬の寒い夜中に漂う冷たい空気が作品の孤独感を増すスパイスとなってくれます。手の中にあるスマートフォンは、世界への繋がり、人との繋がり、の一助となるはずなのに、それがもたらすのは苦しさをともなう胸の痛み。その痛みに馴染んでいくという感覚が、静かに深く染み込んできました。