「眺めるだけ」を含む小説

これは、此処ではない場所と今ではない時代の御伽話。 滅びゆく世界から逃れてきた放浪者たちと、楽園に住む者たち。 二つの異なる世界が混じり合い新しい世界が生まれた。 そこで起きる、…

　中学生の亜里沙は、急激な環境の変化についていけず、家でも学校でも居心地の悪さを感じていた。 　ある日の夜。流星群を眺めながら、つと呟く。 　どこか遠くへ、誰もいない所に行き…

※ネタバレ注意 ある秋の昼下がり、お魚が大好きでテレビにもよく出演する魚類博士兼大人気タレントも大好きな、魚春という名前の十歳で小学五年生の少年は、いつものように近所の海を訪れ、…

医師になにも言えない患者の時代は終わり？

　２つの世界線が漣となって寄せては返し交わる、思弁SF。 　西暦２０４０年。廃棄物の堆積した地域「資源山」に建設されたエネルギー処理施設のエネルギー炉が暴走し、膨大な未知エネル…

今は昔。ここではないどこか。嘗ては大きな戦乱が長く続いたその地には、今は一基の石碑が建てられていた。 ある一人の若者が毎日のようにその石碑を眺める様を見たとある老人は、彼に声をか…

ゆったりしたジャズを聞きながらブルーライトを浴び続けた眼球で壁を眺めると、やけに平べったい体をしたペンギンの、どこにあるのかも分からない目と目が合った。

　何度も夢を見る。 　そこは短い丈の草が広がる、丘陵な大地に立つ。 　鋼の鎧を身に纏うファントムの姿が…… 　気づけば自分はそこに居た。 　心地よく吹く風に身を任せながら、ただ…

夕陽を眺めるのが好きな11歳の僕は、港で綺麗な女性に会った。 どうして今まで忘れていたのだろうか。　 ※この作品はフィクションです。実在の個人、団体、地名、天候、科学とは関係あり…

彼氏と二人、山頂から景色を眺める 風のうたが聞こえる―― ５分で読めるショートショート 隙間時間にどうぞ

人見知りだが希代のスクロール魔法使い・シルベは、なんか知らんがキツネになってしまった。魔法が使えれば元に戻れるんだが、手がそういう作りになってないんよ。忘れたい事実だが公爵令嬢。…

俺には二人、仲の良い幼なじみがいる。 二人とも美少女で、その二人がイチャイチャしているのを後ろから眺めるのが、俺の日課であり幸せだ。 それなのに、学校からの帰り道、その内の一人…

心の穴を埋めるために死体の写真を検索している少年は、夜更けの公園で女性が人を殺害している現場に遭遇する。慌てた少年の口から出た言葉は、「その死体、撮影させてください」だった—

そう。 思いついたのは。 あの時から。 僕は。 僕という、器（うつわ）の中にいる。 ジッと。 君を眺めるだけの。

無から有を生み出す現象、「魔法」が一般的に使われている世界。そこは魔王の与える「異能力」に日々苦しめられている世界であった。社会の安全や秩序を守る実力組織「騎士」や、雑用護衛救助…

高校に入って、好きな人が出来た でもライバルが多いの～～～ ５分で読めるショートショート 隙間時間にどうぞ 「異世界でドラゴンをかう、ペガサスもかう、えーと次は何だっけ？」 の…

札幌に住む1人の青年は、雪まつりの日、人生の師と仰ぐ1人の狂った女に出会った。 そこから始まった、どぶ川の中の宝石を眺めるような、明るく濁った男の話

とある地方都市。 その端にある所謂“自称”進学校の公立高校に通う2年生の清水健太郎は背が高く、がっしりとした体格ということもあり校内でも一際目を引く存在だった。しかし、その体躯に…

　一年間浪人した俺はこの春ようやく大学に入学することができた。新たに始まる生活に前途明るく思っていたが、そこに現れたのは八年前、離ればなれになったかつての想い人だった。ずっと守っ…

一日一話を目標にTwitterであげていた掌編小説全十三篇を纏めたものです。 掌に乗せて眺めるも良し、転がして見るのも良し、飾っておくのも良いですね。 全てはこれを読むあなたのお…