城まで抱っこしといてよ~キツネになったのでスクロール魔法が使えません~

作者 尚乃

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★★★ Excellent!!!

スクロール魔法って何や?と思った方。ここの部分は重要なので、ちゃんと本編を読了する事をオススメする。
(私は最初、パソコンを操作するマウスの動きのことかと思っていた。)
なぜ狐になってしまったのか、王子の真意は??など謎が多いですが、最初は周りに引っ掻き回される苦労系ヒロインかと思っていたシルベちゃんが、所々でデレでいるのが可愛らしいです!勿論、狐の姿でもね!!

★★★ Excellent!!!

 この作品は児童作品と言う事で二つのワクワクがあります。

 まずは変身願望をくすぐられます。
 子供の頃、何かに変身出来たらいいなと思った事は絶対ありますよね?ペンが持てない不便な現実の中でも可愛らしいヒロインを見て、どこか憧れてしまう不思議。王子様に抱っこされてお城に帰る……児童女子なら憧れてしまう事間違いなし!

 更にもう一つ。優しい世界観の中でも緊迫した展開でワクワク!このギャップが児童男子も引き込まれてしまう事間違いなし!

 児童小説には少ない独特の抽象的な表現もありますが、読み手児童を意識したわかり易く読みやすい文体。

 児童小説は、夢や希望を運ぶべき物であると私は思います。そんなワクワクドキドキを体験出来るこの作品はピッタリです!

 親御さんもお子様と一緒にこの作品を抱っこして子供時代を思い出して見ませんか?!




★★★ Excellent!!!

ヒロインがキツネになる。
それだけでも可愛いのに、鳴き声もまたいい。
くおおおん。
作品を読みながら、一緒に叫びたくなりました。

そんな希代のスクロール魔法使い、シルベ・トレガロンですが、婚約破棄されて、謎の爆発。
目覚めたらキツネになり、王子に拾われる。
大変な目に遭っていることは事実なのに、コミカルな作風がそれを打ち消し、シルベの可愛らしさが際立ちます。

しかもシャイなところが、またグッとくるんです。
王子とのすれ違いも、じれじれとはまた違ったもどかしさがありました。
それを是非感じてほしいです。

★★★ Excellent!!!

 シルベ・トレガロンは公爵家の令嬢だ。
 そして人見知りだ。
 というかほとんど、人間嫌いで対人恐怖症に近い。
 読書が好きで勉強が好きで魔法が好き。あるいは、そういう自分を演じることで他人を遠ざけてきた。そしてそれでも一応はなんとかなった。一応公爵家だし。恵まれていたし。同時に疎まれてもいたけれど。
 王子の婚約者に選ばれた時も、否とは言えなかった。
 国王暗殺の疑いをかけられても、証拠を突き出して反論することもできなかった。
 気が弱いので。人間が苦手なので。
 でも今回はそれで何とかならなかった。なんか爆発して、なんか狐になっちゃって、なんか王子に拾われてしまった。
 だからすごく。困ってる。

 というお話。
 何にも言えない、ラーメンライスにライスがついていなくても店員を呼べないくらい何にも言えない主人公シルベが。さらに何にも言葉を発せない狐に変身してしまった際の騒動が描かれます。
 彼女は事態を解決できるのか。
 自分の気持ちを伝えられるのか。
 実は周りから相当に大事にかわいがられているシルベの、果てしない遠回りについてのお話です。