この作品は児童作品と言う事で二つのワクワクがあります。
まずは変身願望をくすぐられます。
子供の頃、何かに変身出来たらいいなと思った事は絶対ありますよね?ペンが持てない不便な現実の中でも可愛らしいヒロインを見て、どこか憧れてしまう不思議。王子様に抱っこされてお城に帰る……児童女子なら憧れてしまう事間違いなし!
更にもう一つ。優しい世界観の中でも緊迫した展開でワクワク!このギャップが児童男子も引き込まれてしまう事間違いなし!
児童小説には少ない独特の抽象的な表現もありますが、読み手児童を意識したわかり易く読みやすい文体。
児童小説は、夢や希望を運ぶべき物であると私は思います。そんなワクワクドキドキを体験出来るこの作品はピッタリです!
親御さんもお子様と一緒にこの作品を抱っこして子供時代を思い出して見ませんか?!
シルベ・トレガロンは公爵家の令嬢だ。
そして人見知りだ。
というかほとんど、人間嫌いで対人恐怖症に近い。
読書が好きで勉強が好きで魔法が好き。あるいは、そういう自分を演じることで他人を遠ざけてきた。そしてそれでも一応はなんとかなった。一応公爵家だし。恵まれていたし。同時に疎まれてもいたけれど。
王子の婚約者に選ばれた時も、否とは言えなかった。
国王暗殺の疑いをかけられても、証拠を突き出して反論することもできなかった。
気が弱いので。人間が苦手なので。
でも今回はそれで何とかならなかった。なんか爆発して、なんか狐になっちゃって、なんか王子に拾われてしまった。
だからすごく。困ってる。
というお話。
何にも言えない、ラーメンライスにライスがついていなくても店員を呼べないくらい何にも言えない主人公シルベが。さらに何にも言葉を発せない狐に変身してしまった際の騒動が描かれます。
彼女は事態を解決できるのか。
自分の気持ちを伝えられるのか。
実は周りから相当に大事にかわいがられているシルベの、果てしない遠回りについてのお話です。