概要
彼処は、うつくしい場所でした
宮城県北西部に位置する田舎町「弥沼町」─そこで小学校の教員として働く青年、生島夕雨は、行方不明になった児童の行方を捜索することとなる。
捜索を始めた彼は、横浜からやって来たという老人と出会う。彼は、かつて弥沼町に存在し、人口減少によって廃村となった「上見郷集落」の出身だという─
以前短編集「彼は誰時語られるもの」に掲載したエピソードをもとに中編として書き直した作品です。
捜索を始めた彼は、横浜からやって来たという老人と出会う。彼は、かつて弥沼町に存在し、人口減少によって廃村となった「上見郷集落」の出身だという─
以前短編集「彼は誰時語られるもの」に掲載したエピソードをもとに中編として書き直した作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!日常を侵食する恐怖。それは怪異か、神か、あるいは人の本質そのものか
「村」を舞台とした和風ホラー作品ですね。いわゆる「因習村」のようなギスギスした物語ではなく、のどかな日常風景が徐々に異質なものへと変わりゆく恐怖を味わうことができます。
時代背景は現代であり、作中ではスマホやSNS等が活用されるものの、その現象の裏にはバブルや高度成長期が関わっていたりと、深い創り込みが感じられます。
また、私のイメージなのですが、こちらの作者さまは「人間」や「生命」の本質を巧みに描かれる書き手です。そんな作者さまの作品であるからこそ、人々の発言や一挙一動が生き生きとしており、それが純粋な「恐怖」にも繋がってまいります。
日常に潜む「なにか」の正体とは――。恐ろしいながら…続きを読む