「村」を舞台とした和風ホラー作品ですね。いわゆる「因習村」のようなギスギスした物語ではなく、のどかな日常風景が徐々に異質なものへと変わりゆく恐怖を味わうことができます。
時代背景は現代であり、作中ではスマホやSNS等が活用されるものの、その現象の裏にはバブルや高度成長期が関わっていたりと、深い創り込みが感じられます。
また、私のイメージなのですが、こちらの作者さまは「人間」や「生命」の本質を巧みに描かれる書き手です。そんな作者さまの作品であるからこそ、人々の発言や一挙一動が生き生きとしており、それが純粋な「恐怖」にも繋がってまいります。
日常に潜む「なにか」の正体とは――。恐ろしいながらも非常にワクワクする作品ですので、ぜひ皆さまにも味わっていただきたいですね。オススメです。