第8話

 種沢と岡谷は「AIが拡張する定型業務の自動処理化の研究」という会合へ出席していた。参加者は三二名。登壇者は後藤文彦という売り出し中のテックライターだ。

 後藤は副業でライターをしており、本業はある私立大学の数学科の講師だ。

 大学の講師と言えば立派なものに聞こえるかも知れないが、その実、実入りはそれほどでもない。よって大抵の大学講師は出版なり講演会なりでその名前と顔を売り、自分の市場価値を高めようとするのが普通のことだ。

 講義の内容はなんてことのない、RPAの活用方法の紹介だけだった。

 こういった会合で主なのはその講義内容ではなく、その後の懇親会だった。そもそも、そういった若手起業家は、その講師と同じく自分たちの名前と会社を売り込むためにそういった会合に顔を出すのだ。

 であるから講義の会場は渋谷なり六本木なり、近所にちょっとした飲み屋がある場所が選ばれていた。今回の会場は六本木だ。種沢と岡谷は夜の六本木はあまり得手ではなかったが、知らない店がないでもなかった。

 会合の懇親会のでは、二人はあちこちに名刺を配り歩いた。今回の会合に出席していたのは、二人と同年代のIT起業家たちだった。自然とお互いに打ち解け合うのに時間はかからなかった。

 この場で顔と名前を売っておけば、将来の何らかの糧になるかも知れない。会合の出席者の全員がそういう思惑の中で動いていた。

 その実、参加者は三二名一七社から名刺交換するのだから、誰がどの会社の何という役職だったなど正確に覚えていられるわけがない。

 懇親会で「コイツはできる」「コイツは光っている」という相手を見付けて二次会に誘うのが常套手段だった。

 その日、種沢と岡谷が捕まえたのは株式会社オーウェンシーズの浦沢取締役と小畑取締役、株式会社アイキャストの日下部専務だった。

 五人は懇親会が終わると日下部の先導でバー「ASP」へ向かった。

 「ASP」はそこそこ混んでいたが、ボックス席は空いていた。そこへ五人が席を占め、二次会最初のグラスを重ねた。

 五人とも業種としてはSESを生業としていた。同世代でもあり初対面ではあるが気の合う連中であることは懇親会で発見したので、気安く仕事の話もできるようになっていた。

「この業界、いつまで保ちますかね」

 小畑がそう言うと、日下部が応えた。

「この先、三十年はいけるでしょ。これからはIT人材が不足してくると政府も発表してますし、第一、もう我々はコンピュータ無しでは生活できないほどどっぷり浸かっちゃってるじゃないですか」

 岡谷がそれに呼応した。

「いやそうなんですけど、業態としては昔からある建築業界に似た構造なのが気になるんですよね。ほら、だって孫請けどころか五次受け六次受けは当たり前でしょ? そういう下流の仕事ばっかり受けてる会社はいつまで経っても下流の仕事専門になっちゃうんじゃないかと思うんですよ」

 浦沢がそれに応えた。

「そうそう。建築業界みたいに大手ゼネコンがあって、その下に子会社があって、さらにその下に系列会社があってっていう、中抜き構造が確固として出来上がっちゃうんじゃないかと思うんですよ。例えば、二十世紀の終わり頃、インターネットが家庭に普及し始めた頃はプロバイダがいくつもあったじゃないですか。でも今はベンチャー発のプロバイダは残ってないですよね。みんな大手の通信会社にやられちゃった。SESの業界も同じで、まだ今は黎明期なんじゃないかなあ。いつかは大手のIT屋に独占されちゃうんじゃないかと思うんですよ」

 種沢が皆に訊いた。

「どうします? もしNTTから『うちの系列へ入れ』って言われたら」

 全員が「入る!」と応え、一同はゲラゲラ笑った。

 浦沢のグラスが空いた。二杯目もハイボールを頼んだ。

「もしそうなったら資金繰りに頭を抱えることもないし、そもそも銀行との付き合いも考えなくていいし、こっちとしては大賛成だなあ」

 日下部が全員に訊いた。

「皆さん、どこの銀行をメインバンクにしてます? うちはいなほ銀行ですけど」

「うちは三ツ葉銀行の銀座支店」と種沢が応えた。

「おお! うちも一緒ですよ!」と浦沢が言った。

「でもねえ、ちょっと考えがあってメインバンクを替えようかと思ってるんですよ」と浦沢が続けていった。

 岡谷が浦沢に「それはまたどうして?」と訊いた。

「いや、本当かどうか調べてないんですけど、他社さんから変な噂話を聞きましてね」

「どんな?」と種沢が話しを促した。

「それがねえ……あそこの融資課に妙な小細工をする人物がいるって話なんですよ」

 種沢と岡谷にすぐ本間のことが思い浮かんだ。

「いや、噂ですよ。真偽不明なんですけどね。あそこで脱法まがいの融資をしているって話があるんですよ。それも一社や二社から聞いたんじゃなくて、複数の人から聞いたんです。話の出所は一緒で実は一件だけのケースかも知れませんけどね」

 場が急に緊迫した。種沢と岡谷は浦沢の話に聞き入った。

「希望額以上の融資をして、その金をトンネル会社に送金してるんじゃないかって話なんですよ」

 種沢は正にその手に乗ってしまっていた。やはり本間はうちだけをターゲットにしていたのではなかったのかと種沢は思った。

「嫌な話ですけど、我々はまだ金融の成り立ちやそういう悪さの仕組みを知らないじゃないですか。それに銀行さんだって信用商売でしょ? 悪い噂が立つということは、かつてなにかトラブルがあったか、現在揉めているかのどちらかなんじゃないですか。そういう面倒とは付き合いたくないんですよ」

「もうちょっと具体的にその話、教えてくれませんか」と種沢は浦沢に喰い付いた。

「聞いた話では希望融資額以上の金はダミー会社に振り込ませて、何て言ったかなあ……裁判させて法律の抜け道をくぐってその上乗せ金はチャラにするんだそうです。そのダミー会社の裏だったかな、株主だったかな、まあ、実質的に牛耳っている人が三ツ葉銀行の上の方と深く関連のある人物だそうで、その人物とその中間に入っている人たちを金で口止めさせているそうなんですよ」

 種沢と岡谷は溜息を吐いた。日下部は「いやあ、怖い話もあるもんですね」と笑って見せたが、その場の雰囲気が落ち込んでいるのを察して言葉を飲んだ。

 俯いた種沢から口を開いた。

「……その話、乗っちゃったんですよ」

 えっ! と浦沢が驚いた。

「三ツ葉銀行の過剰融資の件、うち会社で正に今やってるんですよ……」

「それ、何か悪いことに加担させられてるかも知れませんよ! すぐ弁護士に相談した方がいいんじゃないですか? なんなら弁護士、紹介できますよ」

 浦沢の申し出に種沢は首を横に振った。

「いや、そういった経理や会計や財務に詳しいうちのスタッフに、今、調査をさせてるところです。そのスタッフが言うには、契約そのものに瑕疵はない、とのことでした」

 浦沢は開いた口が塞がらなかった。

「じゃあ、一体、これからどんな手を打つんですか」

「とにかく、何が起きてこれから相手がどう出るかを見極めるのが肝心でしょう。今すぐに何かしらの行動に出るわけにはいきません。銀行と喧嘩するんですよ? 黒幕を含めて相手が誰なのかをはっきり見定めないとなんとも手が出せません」

 日下部が目をキョロキョロさせた。浦沢と種沢との遣り取りが生々しくて二の句が継げないのだ。

「だったら今の話、うちでも噂の出所を探してみますよ。本当に銀行が脱法行為をしていたら、それこそ社会問題じゃないですか。うちも協力します」

 浦沢は改めて種沢に名刺を渡した。

 これで浦沢の名刺を貰うのは二度目なので「大丈夫です」と種沢は懇親会で貰った浦沢の名刺を見せた。

 浦沢の申し出には咄嗟の下心があった。

 ここで種沢に、フォーカスエンジン社に恩を売りつけておきたいという下心と、もし本当に社会問題になるほどの事件であれば、その告発の当事者として自分の会社、オーウェンシーズの宣伝にもなるだろうと判断したのだ。社会正義の名の下に堂々と売名行為が許される。それに浦沢は事件の当事者ではない。何がどう転んでも自分の会社には何の被害が及ばないと踏んだ上での助成の申し出だった。

 種沢にはこのような瞬時の利害得失を計算できるほどの判断力はまだなかった。種沢の性格なのか、育ちの良さなのか、目の前にいる人間の言葉を鵜呑みにしがちなのだ。良く言えば人を疑わない天真爛漫さ、悪く言えばただのお人好しなのだ。

「よろしくお願いします」

 種沢から出てきた言葉はたったこれだけだった。浦沢はあまりの種沢の従順さに却って戸惑いを感じた。

「それじゃあ、別日に作戦会議といきますか。今日の今日じゃ何にも用意ができなでしょうし」

「ええ。そうですね。今週中にお時間あります?」

「ええと、ちょっと待って下さい」と浦沢は言って自分のスマホでスケジュールを確認した。

「今週の金曜日の夜なら大丈夫ですよ」

「分かりました。金曜の午後六時で弊社の新社屋でどうでしょう」

「ええ。伺います。うちのコンピュータに詳しいのも一緒に連れてきます」

「ありがとうございます」

「それじゃあ話は纏まりましたから、今夜はパッといきますか!」

 浦沢の一声で飲み直しとなった。

 若い経営者たちは自分と同じ境遇にいる者たち同士で考えていることや今後の自分の会社の発展を夢見ていることを語りあった。

 まだ未熟な経営者たちであったが、皆がそれを自覚しており、各人の持ち寄った話で社会勉強会となった。酒の力を借りてはいるものの、誰もが誰が何を言って、結論、どうなったのかを披瀝し合った。

 フォーカスエンジン社、株式会社オーウェンシーズ、株式会社アイキャストの重役たちが揃っていたのだが、皆が若いので端からみればただの若者たちの集まりにしか見えなかった。

 しかし話を聞いてみると、その言葉の端々に億単位の話が出てくることがしばしばだった。それを酒の勢いで大音声に言うものだから、そのボックス席だけは何か怪しい集団が密会しているかのようだった。

「年商ベースでみんな大体どれぐらい稼いでるの?」

 だいぶ酔いの回った日下部が皆に聞いた。

 岡谷は「うちは大体六十億ちょっと」と馬鹿正直に応えてしまった。ついで小畑も「うちは四十いかないぐらい」と口を滑らせた。

「で、日下部さんのところはどうなのよ」と浦沢が訊いた。

「うちは八十億いかないぐらい」

 日下部以外は嘆息を上げた。

「どうしてみんな同じ業界なのに、こんなに億単位で違いがでてくるんでしょうねえ。日下部さんのところはうちの二倍はあるじゃないですか」

 小畑の言葉に日下部はにやけながら言った。

「うちはこれでも一〇年以上、この業界で食ってますから。もうベンチャーとは言えません。しかし、創業当時は色々大変だったみたいですよ。まず仕事がない。人を雇えない。信用がない。銀行さんにもそっぽを向かれる。取引先に頭を下げまくって、やっと手にした仕事が数万円の案件だったとか」

 それは日下部以外の誰もが経験している話だった。

 ちょっとコンピュータに詳しい若者が「会社作りました。何でも言って下さい。仕事ください」ではどの会社も銀行も相手にはしてくれないのだ。

「でも、この業界の仕事の取り方も随分変わりましたよね」小畑が言った。

「そうそう。いまじゃメーリスで案件情報が流れてくるじゃないですか。我々はその案件に見合う人材をマッチングさせるだけ。これで仕事がもらえるんですから、まあ、楽と言えば楽なもんですよ」

 浦沢が一瞬、息を吞んでから言った。

「みんな、女衒って知ってる?」

 浦沢以外がポカンとした。「ゼゲン?」「何それ」と互いに言い合った。それに浦沢が解説を加えた。

「女衒というのはね、江戸時代まであった職業なんだ。貧しい家の女の子を買い取って、吉原みたいな遊郭に売り捌くんだ。おれたちはみんな現代の女衒みたいなもんだよ。昔の女は自分の体を売り物にしていた。で、現代では技術力を売り物にした人身売買みたいなもんだ。そりゃ、吉原の花魁ともなれば客も選べたし花形だったんだ。身請けされて武家に嫁いだのもいたらしい。今のSEだってそうだろ? 時給七〇〇〇円以上のやつだっているじゃないか。高い技術力さえあればいくらでも稼げる。案件も選べる。ところが腕のないやつはいつまで経っても下流の工程で毎日納期に追われてるんだ。正に現代の人身売買だよ。厄介なのが、これが合法ってことだろうな。むしろ、SEになるやつは上ばかりを目指して結局、成り上がれもせずに燻ってるやつが殆どだろ? そういう連中の稼ぎ出す小銭を掻き集めて今おれたちがここにいるんだ。女衒は蔑まされてたけど、おれたちはどうだ? 三〇歳になる前に一応は取締役だのCEOだの、そういった社会的には上の立場にいる。おかしなもんだよな。時代が違うだけでこんなにも差があるんだ」

 一同沈黙した。その沈黙を破ったのは小畑だった。

「まあ、そういう考えも否定はしないけど肯定もしないね。遊女とSEじゃ社会的立場が全然違うじゃないか。遊女は楼閣から一歩も出られなかったんだろ? ところがSEは高給を求めてさっさと転職を繰り返すじゃないか。末は社内SEか、おれたちみたいにベンチャーを立ち上げるかだろ? そう悪い方に考えるのはどうかなあ。それにお前も言ってたじゃないか。SESは合法だって。おれたちは顧客とSEをマッチングさせる役目をになった社会の潤滑油だとおれは思ってる。顧客には満足を、SEに正当な報酬が支払われてるんだ。女衒なんかじゃないと思うがなあ」

 その言葉を受けて日下部が言った。

「私も何年もこの業界にいるけど、浦沢さんの言うことには一理あると思うなあ。うちの営業マンなんかは人月計算しかしてないし。SEの数が倍になれば納期が半分になると思い込んでいるのも確かにいるからなあ。結局、コンピュータの仕事も人間の手作業でやってるじゃん。コードを書くのは人間の手作業だし、動作検証をするのも結局は人手でやってるしねえ。まあ、私から見ればこの業界はまだ手工業なんだよね。いつか産業革命みたいに手工業が機械に置き換わるときが来るんだろうけど、それが来年なのか百年先なのか、それが分からないんだよね。来年にもSEの職が奪われてもおかしくないし、それが遠い未来の話でもちっともおかしくないんだ。結局はコードの自動生成AIかなんかが出てきて、ちょっとパラメータを与えてやるだけでそれなりに動くコードが生成される未来が来るかもしれないよ」

 そんな未来が来たら、おれたちの業界はパアだな、と種沢が笑いながら言った。

「いや、笑い事じゃないよ。いまどきアセンブラでコード書くやつなんてほぼいないじゃん。そんなの一部の組み込み屋だけでしょ? みんな何かしらの高級言語を使ってるよね? その高級言語がもっと抽象度の高い言語で書かれるようになったら、つまり、人間の会話のような指示書を読み込ませるだけでコードを書くAIが出てきてもおかしくないと予想してるんだ。みんなChatGPTとかBardとか知ってるでしょ? あれをコーディング専用にチューニングしたサービスが近い将来、出てくるかも知れないよ」

 業界そのものが消滅してしまう――これは恐怖以外の何物でもなかった。

 静まり返った場に他の客の嬌声だけがいやに遠くに聞こえてくる。五人は自分たちの業界がそういうものなのか、と意気消沈した。しかし日下部は違った。日下部は浦沢の持論とは別の見解を示した。

「でもね、この業界が消えることはないと私は踏んでるんだ。例えば芝居なんかがそうだろ? 何百年も前は芝居を観るには劇場へ行かなきゃならなかったんだ。で、映画が発明されて客はそっちに行っちゃった。その次はテレビの発明だ。もう芝居を観るのに外出しなくてもよくなったんだ。最後はネット配信だ。これが現代までの芝居の変遷なんだけど、いくらネット配信まで進化したとして、未だに劇場はあるよね? 映画もテレビもまだある。そういうことだよ。劇場はその最盛期はとっくに過ぎちゃってるけど、まだしぶとく生き残っているところは生き残ってる。そういうところはおれたちの業界にも当て嵌まるんじゃないかな。いまの業界はまだ揺籃期なんだ。有象無象が跋扈する小規模の会社が乱立する時代だ。いずれ大手が市場の殆どを支配して、僅かな零細企業が生き残る。テレビの発明と同じようにね。で、そのあとシンギュラリティーだか新発明だかでその大手も、業界そのものが頭打ちになる。そして徐々に衰微していって業界そのものの市場規模が平静になる。これはどの業種だって辿ってきた道じゃないか。今のおれたちがやっていることは、いずれ極少数の会社しか残らないと思うね。もしくは大手に吸収合併されるか消滅かのどちらかなんじゃないかな。どっちにしろ、生き残っていくのは難しい。いま自分の会社が業界の中でどういうポジションなのか、もっと事業を拡大させて、大手の目にとまるほどになれるかどうか、それが大事なんじゃないかな。今は年商で億だの十数億だのあっても、大NTT様にとってみれば、そんな程度じゃ歯牙にもかけてくれないかもしれない。業界を寡占するぐらいの勢いがないと、今後の数十年先は保たないんじゃないかな」

 また一同は沈黙した。その沈黙は日下部の言葉を是認するものだった。今は若い同世代でわいわいやれているが、数十年先の自分たちのビジョンを問われて、本当に自分の会社が生き残っていけるのか、その心配は常にあった。

 起業は大変だが、倒産はあっという間だ。そのことも五人の共通認識にあった。

 明日は無為徒食になる可能性はこの五人全員にあった。その善後策の意味を含めて、懇親会へ参加し、こうして気の合う者同士で杯を傾けているのだ。

 今はいい。しかし本当に生涯をかけられるほどの業種・仕事なのか――その疑問には答えが見付からなかった。

 岡谷が急にダミ声で話し出した。

「そう暗くなるなよ! 人間は向いてる方向に向かって進んで行くんだ。車の免許を取ったときにも言われただろ? 進行方向を見ろって。下向いちゃダメだ。上を見なきゃ。しけた顔すんなよ。笑い飛ばしちまえばいいんだよ! さあ、おれたちの未来に乾杯だ!」

 一同は改めて乾杯した。しかし何か岡谷の言葉が空元気に響いたのも事実だ。だがやるしかない。そういう道を選んだのだ。後悔するのは失敗してからで充分遅くない。年齢的にも再就職はできる。そういう打算も全員にあった。

 今がいいならそれでいいじゃないか。後は小賢しく世渡りすればいい――そういった刹那的な考えもあった。そのせいか、その後の五人はひたすら陽気に飲んだ。こうしていられるのも今のうちだけ。それでも酒の味は確かに旨かった

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