第8話
柚が風呂を済ませ、リビングへと戻ると、ソファーに突っ伏して寝息をたてる橙真の姿があった。
そしてテーブルを見ると、既に空になったビールの缶が無造作に置かれていた。
「あれ、橙真寝ちゃった?」
ガシガシと濡れた髪を雑にタオルで拭きながらソファーの手前に「よっこいしょ〜」と腰を下ろした瞬間、後ろからガバッと橙真が抱きついてきた。
「うわぁっ、なになに!?橙真酔っ払ってる?」
「酔っ払ってない」
耳元で聞こえてきた橙真の声音は妙に艶っぽく、微かに肌に触れる橙真の吐息に、柚は顔がカッと熱くなるのを感じた。
「い、いいいや!酔ってるって!俺なんかに抱きついて…!」
「…………………嫌?」
ひたすら焦る柚の一方で、橙真はわざとその熱い吐息を柚の耳に吹きかけるように、その唇を近付けてくる。
「ちょ…!橙真、くすぐったい…!」
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