第13話

「はぁ…ただいま…」


よろよろと薄暗い部屋へと入り、そのまま電気も付けずに真新しいベッドに倒れ込んだ。



柚の頭の中はひたすらに橙真のことでいっぱいだった。



(やっぱり普段から甘え過ぎてたよな…)


「はぁ〜…、本気で嫌われたらどうしよう…」


ベッドに寝転がりながら憂いに満ちた瞳で天井を見つめていると、唐突にぼやぁ〜と黒い影が視界に写ってきた。


「つっ…!?」


柚は驚きで一瞬目を見開いたが、すぐに怖くなってギュッと固く目をつぶった。



するとその影はだんだんと人の形へと形成され、最終的には柚が昨日冷蔵庫の中で発見した男の姿を作り出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る