第12話
橙真の部屋を出た後、柚は一瞬、実家のある方へ歩きだそうとしたが、方向を改めて例のあの部屋へと帰路についた。
実を言うと柚は別に昨日見た幽霊が怖くて嘆いていた訳ではなかった。
女性に囲まれて育ってきたこともあってか、霊感や占いなどスピリチュアルなものに元々関心のあった柚は、むしろ霊を見たことは自慢だった。
しかし、その話を橙真にしたところ、「そんな部屋に彼女なんて連れ込んだら振られるな」とバッサリ斬られてしまった。
そう、そもそも一人暮らしを始めようと思ったのは彼女を作る為だ。
姉達に邪魔されることなく、自由に女の子と遊び、ゆくゆくは可愛い彼女と2人でラブラブな時間を過ごす為だったのだ。
しかしその肝心な部屋が幽霊のでる事故物件だったのだから柚も落ち込まざる負えない。
それに今度は大学で一番仲の良い友人を怒らせてしまった。
気分も運気も最悪だ。
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