第3話
「俺だって可愛い彼女が欲しいっ!!」
ダンっと学食のテーブルを叩く柚を横目に、ダークブラウンの髪をお洒落にくしゅくしゅとさせたリア充その1が指をスマホの画面に滑らせながらため息混じりに言った。
「姉さん達にこき使われてる内は無理だろ」
「やっぱそうだよなぁ〜…」
「………………」
「あ〜…俺このまま一生彼女なんて出来ずに死ぬのかなぁ……」
「………………」
だらーんとテーブルに倒れ込むようにして、スマホばかり弄る隣人を下からじっとりと見つめる。
「ねぇ、橙真!!俺の話聞いてる?」
柚の嘆くような声に、橙真は顔を上げる。
同い年なのにやけに落ち着いた表情と仕草に、柚は(やっぱり顔かぁ)と内心で呟く。
「柚はさ、一人暮らしとかしないの?」
「一人暮らし?」
キョトンとする柚に、橙真は表情を変えずに頷く。
「姉さん達の支配下から逃れるには一人暮らしするしかないんじゃね?」
「なるほど、考えたこと無かったな…」
「しかも一人暮らしなら、彼女なんて連れ込み放題だしな」
「あっ!そっか!確かに!!」
橙真の言葉に、柚は瞬時にまだ見ぬ彼女との妄想を膨らませ、目を輝かせた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます