第2話

坂木 柚、今年でやっと21歳の大学生。



女系の家庭で育った彼は、幼い頃から尽く母や二人の姉達に駒のように使われてきた。



スナックとキャバクラを経営する母に、その店で働く二人の姉達。



家の外でどれだけ美しく見えても、家の中ではただの怪物である。



特に二人の姉達は、感情の起伏が激しく、その日の気分によって柚は真夜中だろうが早朝だろうが、講義中だろうがお使いに走らされる。



特に姉達の休日は、柚の予定など関係なく買い物に連れ回されるのだ。



車の運転から荷物持ち、そして食事の予約など、まさに召使いのような扱いだ。



「こんな生活抜け出してやるっ!!」



それは一人暮らしを謳歌し、次々と周りが春を迎えているのを目の当たりにしたことがきっかけだった。

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