第9話

戸惑いと羞恥心から、柚は反射的に顔を背ける。



(普段酔わない橙真がなんで今日はこんなことになってんだよ〜!しかもなんかエロいしぃ〜!!)



「ねぇ…柚聞いてる?」

「え?」

「俺にこうされるの嫌?」

「~~~~~!!!!」

「柚?」

「だ〜!!もう!!酔ったフリして俺で遊ぶの止めろよ!お前がイケメンなことも、モテることも俺はもう知ってるっつーの!」


サッと柚に身を避けられた橙真は、柚の言葉に瞬いた。


「……なんの話?」

「だから、橙真がモテるって話!」


ふんっ!と鼻息荒くなぜか腰に手を当てて胸をはる柚に橙真はソファーから下りて、強引に柚を床へ押し倒す。


「今その話してないだろ」

「え、橙真…?なに怒って……」

「ねぇ、柚。俺が今お前にこうしてる理由分かる?俺が今からしようとしてること分かる?」



自分に覆いかぶさり、いつものクールな瞳の奥を揺らしながら真剣な表情で見つめてくる橙真に、柚は息を飲んだ。

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