第10話

(こんな橙真の顔初めて見た…)


「な、なにするって…橙真…?」


状況が飲み込めず、見つめてくる橙真を見返す柚。


そんな戸惑いの表情で自分を下から見つめる柚の姿に橙真は一瞬堪えるように顔をしかめ、唇を強く噛んだ。



「橙真…どうし…!」



しかし柚が再び口を開こうとした時、グッと強く体を押さえ付けられ、橙真の顔が一気に近付いてきたかと思ったその瞬間、



橙真と柚の間にバチッと衝撃が走り、柚に覆いかぶさっていた橙真は、後ろのソファーまで吹っ飛ばされた。



「いって…今のなに…?橙真大丈夫?」


柚が起き上がって、ソファーにもたれ掛かるように倒れた橙真へと手を伸ばそうとした時、「来るな」という橙真の冷たい声が柚の耳を貫いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る