第6話
柚が橙真の様子が気になりだしたのは、橙真の家の近所のコンビニで買い物をしている時だった。
「橙真、明日休みだし飲まね〜?」
いつもの様にへらへらと小さな買い物カゴを持つ橙真へと飲めもしない缶ビールを2缶持って近付いた。
いつもなら「やめとけ」とか「飲めないだろ」とか言いながらカゴに入れさせてくれないのだか、この時はうんともすんとも言わず、柚の手はすんなりとカゴの中へと入れてしまった。
(なんかぼーっとしてる…?)
柚はそう感じつつも、会計の時には気付くだろうと思い、ほんのイタズラ心からそのまま缶ビールをカゴの中に置いた。
しかし、柚の思惑とは裏腹に、なんと橙真は特になんの反応も見せることなく、そのまま会計を済ませてしまった。
「はっはぁ〜ん、さてはお前も今日は飲みたい気分だったんだなぁ〜?」
袋を下げてコンビニから出て来た橙真に、柚は微笑みかけるが、橙真は目を合わせることもなく、スタスタと足早に歩いて行ってしまう。
「あっ、ちょっと待てよ〜可愛くないなぁ〜」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます