14. 地中のお化け
「地面の下はね、冷たくて、あったかくて、とっても静か」
頭だけを地面の上に出して、そのお化けは微睡んでいるかのようだった。ゆらゆらと頭が揺れている。
「動けないけど、それがかえって落ち着くし。僕と同じ子はたくさんいてね、みんな土の中で眠ってる。ひとりじゃないから寂しくない」
埋まった死体とお友達なのかなとアリソンは思った。お喋りはできないような気がするけれど、寂しくなければ良いのかな。
「地面の中は安全だしね。たまに生きてる子の中で、外に出ちゃう子もいるけど、そういう子はあっという間に死んじゃうんだ」
地上は危険な場所なのだと地中のお化けは主張する。
「みんな埋まれば良いのにね」
そうすればみんな安らかだ。
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