27. 弱いお化け
中指を弾くと半透明なからだが仰け反った。デコピンを食らったお化けは、目の端に涙を浮かべて顔をぐちゃぐちゃにする。
「まだまだ! 負けるもんかっ!」
両腕をぶんぶん振り回してアリソンを殴ろうとするけれど、頭を掴んでしまえば腕一本で止められた。アリソンの胸の前で掠る腕が、なんだか哀れ。
「もう観念しなさいよ」
「嫌だね! ぜったいに俺が勝つんだ!」
とはいえ、そもそも攻撃が届いていないのでは仕方がない。
アリソンは肩を竦めた。この弱いお化けを、仲間に入れるべきか入れざるべきか。大した戦力にはならないだろうけど。
「俺だって役に立つこと、証明するんだ!」
弱いだけで存在価値を断じてしまうのもな、とアリソンは思い直した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます