17. アパートのお化け
アパートの一部屋の扉から、お化けがひとり現れた。お化けはアリソンたちを見ると「こんばんは」と挨拶をした。
その隣の部屋から、別のお化けが現れた。始めのお化けは、後のお化けに黙って頭を下げた。後のお化けも頭を下げて、始めのお化けの前を黙って通り過ぎていく。
「喧嘩でもしたの?」
アリソンの質問に、始めのお化けは首を横に振る。
「いいえ。ここではこういう作法なのですよ」
お隣さんも、そのお隣さんも、ここに住むひと全員が、互いをいないもののように扱うのだと、アパートのお化けは言った。お化けだけじゃない。人間もだ。
「お化けよりも
黒猫がニャアと鳴く。魔女と猫でも一緒に暮らせば、こんなに距離が近いのに。
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