02. 青いお化け

 夜空にさめざめとした満月が浮かんでいる。ぼんやり眺めていると、月がアリソンの前に落ちてきた。青白いそれは、お化け。

「こんな夜中に危ないよ」

 どうやら紳士的なお化けらしい。

「大丈夫よ。私は魔女だもの」

 魔女なら飛べばいいものを。お化けはアリソンの箒を指差す。確かに歩くのに荷物になるけれど。歩かないとお化けを見つけられない。

「見つけてどうするんだい?」

「パーティを」

 お化けは半透明の顔でにんまりと笑った。

「いいね。楽しそうだ。私も混ぜてくれないか」

 願ったり叶ったり。アリソンは青いお化けと契約した。

「私が呼んだら来てちょうだい」

「もちろん。楽しみに待ってるよ」

 そしてお化けは夜空に戻り、また満月に擬態した。

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