04. 緑のお化け
水溜まりにはまってしまった。これだから歩くのは嫌 なのだ。お気に入りの黒いブーツが汚れて落ち込んでいると、水溜まりから何かがむっくり盛り上がった。
「痛いなぁ。気を付けてよ」
まるで溶けたチーズのような緑のお化けが、眠い目をこすって抗議する。
何故そんなところにいるの、とアリソンも文句を言った。
「水の中は気持ちいいからさ」
水溜まりはお化けと同じ緑色。綺麗じゃない。アリソンは共感できない。お化けは〝綺麗〟に関心なくて、ふたりの意見は平行線 。
「なら他にいいところあるの?」
お化けの挑発に、
「探してみましょう」
アリソンは意地になる。
再会の約束の後、お化けは再び水に溶けた。
ブーツの汚れは、なかなか落ちなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます