20. 廃墟のお化け
コンクリートの壁に月明かりが染み込んでいるようだった。ここは冷たい。広々としているのに、埃っぽいし。お掃除したいとアリソンは箒を握りしめた。
伽藍洞の廃墟の中は、半透明のお化けでいっぱいだ。行き場をなくした子たちが身を寄せ合って。
『こっちへ、おいでよぉ』
迷い込んだ者を
アリソンの前に、ヒヨコが立ちはだかった。いや、もう大きく立派な若鳥だ。嘴から炎を吐くと、廃墟のお化けは散り散りになって逃げ出した。
「残念ね。私はあなたたちの仲間にはならないわ」
アリソンは、お化けを従える者だから。同じものにはならないのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます