捨てられ令嬢は、王国きっての不良集団に目を付けられる

　ブランジェ侯爵の娘として生を受けるも、母が亡くなってすぐにやって来た継母とその娘が原因で冷遇されながら生きて来たジゼル・ブランジェは自分だけの王子様がきっと現れてくれるという希望だけを胸に日々を過ごしていた。
　そんなジゼルは幼馴染でフィリップ侯爵の息子であるフロラン・フィリップに想いを寄せているが、フロランはジゼルの腹違いの妹であるティファニーの婚約者という現実が付きまとう。そんなある日、フロランが傷だらけでジゼルの元に現れる。取引相手である王国きっての問題児クロード・シャルリエ第二王子にやられたと知ったジゼルは、頭に血が上った勢いでクロード・シャルリエ第二王子を殴り飛ばしてしまう。そしてその事件がきっかけで彼女の運命は思いもよらぬ方向へと進み始める事になる…―。