彼女が好きなものはホモであって僕ではない

作者 浅原ナオト

1,581

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★★★ Excellent!!!

タイトルにある通り、LGBTを題材とした作品です。読んでいて考えさせられることが多い小説ですが、決して読みにくい訳ではありません。物語のテンポが良く、そして次の展開が気になる小説で、私などは一気読みをしてしまいました。物語の出だしから目を奪われるので、読む際は時間を忘れないようご注意を。
登場人物たちは悩みや秘密を抱えています。そして彼らは互いに影響を与えながら自分なりの答えを見出していきます。彼らの答えを知りたい人は、ぜひ読んでみて下さい。

★★★ Excellent!!!

LGBTに対して真剣に向き合った作品だと思います。

家族を作りたいけど、女にはたたないし、男の方が性的にも好き…と言う人間が、腐女子の子と付き合う…みたいな作品です。

感情移入はかなり出来ましたが、ゲイの人じゃないと難しそうかも。当事者としてはかなり良かった作品です。

★★★ Excellent!!!

文章中に散りばめられた作者の知識。衒学的にならずに、登場人物の状況や心理に合わせて上手く表現してるのが、ああ、小説を読んでるなと感じて心地よかった。
主人公のストーリーは、僕からしたらとてもオシャレで、羨ましくさえ思えた。
小説だからこそ、僕の記憶の中で優しいストーリーとしてしまえる事を嬉しく思う。
素敵な物語をありがとう。

★★★ Excellent!!!

本当に、軽い気持ちで読み始めたのだ。
しかしすぐに自分の傲慢さに気付き、ゆっくりゆっくり、言葉を噛み砕くように読んでゆく。
これは同性愛男子の青春ものだけではない。
全ての人間が通る(私にとっては通ってきた)青年期の始まりの物語だ。
心のの揺れ、不安に満ちた激しい気持ち、生と死の間に彷徨うような途方に暮れる感じなど、成人につれて背後に捨ててしまったあらゆる気持ちが、読む途中で鮮やかに蘇った。自分も驚くほどに、鮮明に。

素晴らしい小説を書いてくれて、ありがとうございます。

★★ Very Good!!

思わず、読み耽ってしまいました。
一話はあまりいいな、と思わなかったのに、何故か読み進め、気づいたら、イッキ読みしてました。
共感できる、とかそういうのではなくて、ただあまりのリアルさに圧倒された、という感じです。ファンタジーでない、すごくリアルなゲイの彼らにすごく共鳴して、どういう結末になるのか?気になって読んだ感じです。そういう意味で、すごくキャラが立っていた。生きてる感じがしました。読んでて苦しかったし、彼らの世界に引き込まれました!

★★★ Excellent!!!

あなたにとっての"普通"とは何ですか?
〇歳までに誰かと付き合い、〇歳までに社会に出て、〇歳になったら結婚して、〇歳になったら子供を作る。
上記はただの一例ですが、あなたにとって無意識にそう思っている事があるのではないでしょうか。

ではその"普通"に乗れない人達は何ですか?
もし自分が、その"普通"に乗れなかったらどうしますか?

本作の主人公は男性が好きな男子高校生です。
彼は自分がマイノリティであると思っている故に、周りに本当の自分を隠しています。

あなたなら、自分の「個」の部分とどう向き合いますか?
時間をかけて、考えてみて欲しいです。

★★★ Excellent!!!

多くの人が生きづらさを抱えている。当たり前にできることもできない。何かを始めるときに必要なアイテムも持っていない。普通の箱に押し込められて、その箱からいろんなものがはみ出してしまう。そんな人に読んでほしい。この物語はきっと多くの人の慰めになり、勇気になり、日常の生きづらさをほんの少し忘れさせてくれる。ふと仕事をしている時に。旅先で景色を眺めている時に。映画館で暗転した時に。いろんな登場人物……純やマコト、三浦さん、そしてミスター・ファーレンハイトの言葉が、あなたの背中を撫でてくれるだろう。これを書いている時も、いろんな場面がよみがえって涙がこみあげてきたから。

★★★ Excellent!!!

 1994年に刊行された村山由佳氏の小説『BAD KIDS』にこんな台詞がある。

「男と女でなきゃ間違っているなんて、いったい誰が決めたの?」

「そんな道徳観念なんて、もともとは宗教が何かから出たたわごとでしかないのよ。子孫が繁栄しないと困るから同性愛を禁じたっていう、ただそれだけじゃないの。それが証拠に、そういうこと何も教えられていない子供たちを、無人島に連れてほっといてみなさいよ。十年たって全部が全部、男と女のカップルになっていたら、かえって驚きだわ」

 20年以上前の小説でこれである。(ところどころまだ発展途上な表現も見受けられるが)
 同性愛を題材にした小説は珍しくはない。
 中学三年生の14歳の時、この小説を読んだ。同性愛に理解はあるか?と訊かれたら、先の台詞のような回答をすると思う。
 しかし、だ。当事者本人を理解できているかと訊かれたら、それは別問題である。冷たい言い方になるが、

「わたしアンタじゃないもん。自分の事もよくわからんのに、アンタの事なんて100%理解出来るわけないじゃん」

と答えると思う。

 主人公の純は「かくありたい自分」と「現実の自分」の狭間で常に葛藤をしている。近くにいた人々は、彼の切実な悩みに気付くのは『事件』の後になってからである。
 同性愛者と腐女子。
 そういう肩書は抜きにして、一人の少年少女として彼らに向き合うことが出来るか?が周囲に問われているように思う。

★★★ Excellent!!!

 セクマイ関連への理解や啓蒙が進み、性的マイノリティ当事者にとって昔よりは生きやすい世の中になった……と思いきや、そうした運動があらぬ方向に進み、却って生きづらさを深める当事者もいる。
 そんな現状の中で、マイノリティ当事者から放たれた、叫びと祈りを込めたエンタメ小説。マイノリティだと自覚する人を、あるいは自分を「普通、マジョリティ」だと思い込んでる人を、つまりあらゆる人の「性と愛の在り方」を見つめなおす上での一つのテキストとしても素晴らしいと思いますし。
 同時に、出会いを通して自身の世界が変わる青春小説としても非常に面白い、異色の「ボーイ・ミーツ・ガール」物語でもあると思います。

 主人公の安藤くんの、「女を愛したい」という理想と、「愛せるのは男」という現実の間であがく姿は胸を刺しますし。「彼女」である三浦さんの、好きな人と結ばれたはずなのに……という苦悩もまた切なく。
 ゲイと女子という、本来は「合わない」組み合わせではありますが、僕はこのふたりの関係性をとても尊いものだと感じました。
 
 彼女に興奮できない、彼氏が興奮する人は自分じゃない。それは努力や思いやりでどうにかなるもんじゃない。
 しかしそれでも、たとえ相手とずれていても、相手を「好きだ」と思い合い、取り囲む世界を変えようと、それに応えようとする真摯な姿に、嘘はないでしょう。
 大切な人のために。それは異性愛男女でなくとも、互いのSOGIがどんなだろうと、性的興奮が絡まなかろうと、変わらず普遍的に眩しい感情だと思います。だからこそ二人の間の絆は、かけがえのないものに思えました。
 この、別に高校生男女でなくとも描ける感情を、高校生男女という、恐らくトップクラスに「カップルとして結ばせがち」な属性の二人で描くことに、大きな意味と面白さがあるのでしょう。

 彼ら二人だけでなく、取り巻く人々もそれぞれに癖… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

文字通り、こういう題材に興味が無い人間の読む前の価値観が、ぶっ壊れること間違いなしの逸品です。
文学作品とは斯くありたいものだ、という理想論を一つの観点から体現していると言っても良いでしょう、題材の切り取り方と心理描写の巧さがこの作品の魅力なのでまだ読んでない方は是非。異世界転生するよりいい時間過ごせますよ。

★★★ Excellent!!!

本当にいいお話でした。タイトルを見てギャグストーリーなのかと思っていましたが、全く異なる、とても切なく、でもステキなお話でした。
ずっと心に残りそうです。複雑な状況ながらもとても人間味に溢れるストーリー。なんと感想を残したらいいか全く思いつかないほど、読み終えた後の余韻のインパクトが凄まじく、このお話に出会えて本当に良かったです。
ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

ゲイとかレズとか、記号としてはさておき、小説や漫画を選ぶとき、意識的気に回避してきました
昔読んた秋里和国の『TOMOI』って漫画があまりにも重かったから

単行本の表紙を見たときに気になったのですが、その時もスルーしてました
で、今初めて読んで、思ったことは「もっと早く読めばよかった」です

若手作家の文芸作品を読んで気に入ったときの、自分の中での最大級の賛辞を贈りたいと思います
「すばる新人賞の作品として出会ってもおかしくなかった」

★★★ Excellent!!!

NHKでドラマ化されると聞いて、試しに読んでみたのですが、一気に読み終わりました。
私自身はゲイですが、大学生の頃に、20歳上の既婚者と付き合ったり、結婚と子供を夢見ていたこともあって、主人公の純君の気持ちに共感することが多かったです。
ただ、私は残念ながら、三浦さんとは
出会わなかったし、幼馴染の亮平も、ケイトさんのような人はいず、ずっと自分の本性を隠して、いろいろ誤魔化しつつ、自分と折り合いをつけながら生きています。
だからこそ、この小説の登場人物が不器用だけど、感情をぶつけ合い、時には、すれ違い、でも、わかり合おうとする姿に涙したし、高校という青春の真っ只中の出会いと別れの中でそれぞれが成長した物語に感動を覚えたんです。
今はLGBTという括りで、世の中は、わかった風な論調も多いですが、私は、ゲイを嫌悪する小野の反応の方がリアルだし、学校内の様子も起こりうるんだろうなと感じました。だからこそ、そんな小野でさえ、あの終業式を経て変わったことに、感慨を覚えました。
この物語は腐女子とゲイを描いていますが、人は出会いによって変わるんだという普遍的な物語だと思います。また、時々読み返そうと思います。描いてくださってありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

まず拍手を送りたいです、素晴らしい作品です。
次に感謝を伝えたいです、読んで良かった、出会えて良かったと思いました。
私は、もう20年以上前になりますが、某文学系大学の文芸部に在籍していました。伝統的に、所謂「純文学」しか認めないという部であった為、私もそんな作品ばかり、読んだり書いたりしていました。最近は頭もだんだんくたびれて来てオッサン化が進み、戦国時代物の時代小説ばかり読んで、オッサン的なウンチクを深めていました。2週間程前「カクヨム」を知ってログインし、「今の文芸の世界はこんなことになっているのか?!」といろんな意味で衝撃を受け、そしてこの作品に出会いました。
評価が高かったので、ヒマつぶしに何となく読み始めました。
最初、「サブカル学園モノかあ」、みたいな軽めの感想を抱き、
次に、「あれ?ひょっとしてちょっとヤバイやつ?」、と警戒し、
そのうち、上から目線の感想なんか抱けないくらい物語に引き込まれ、
最後の方は、ちょっと半泣きになりました。
世の中の荒波に少なからず揉まれて来た海千山千の五十前のオッサンを半泣きにさせる力が!この作品にはあります。
あの、秘密を声高に言いふらされる場面では、今まで他の小説では味わったことが無いほどの残酷さと痛みを感じました。
教室での、あの場面では、単なる読者に過ぎない私も一緒に、飛び降りて楽になりたい、という気持ちを味わいました。
この物語における「知性」の代弁者、ミスター・ファーレンハイトの自宅を訪れる場面では、驚愕するのと同時に、同氏の思念・情念の厚みに押し潰される感覚を覚えました。しかし驚愕の真実!本当に驚きました、ええーっ!と思わず声が出て、頭を抱えてしまいました。
近年私が読んだすべての小説の中で、間違いなく五指には入る傑作です。
他の作品もこれから読ませて頂きます。
これからも書き続けて、楽しませて下さい。
ありがと… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

三日間一気に最後まで読みました。読む途中に泣くこともありまして、兎に角めちゃくちゃ感動しました。
色々な感想が書きたいですが、言葉にするのは難しいです。読み終わった時、自分が同性愛について、今までどれほど浅はかな考えをしましたのは思い知らされました。ただ「好きになったのは偶々同じ男や女の人だ。」一言でまとまれることが、同性愛は甘くないです。
最後に、自分と向き合って、前向きな姿勢で自分の人生を歩んでいこう主人公が眩く見えます。最高のエンディングと思います。ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

(ネタバレ含)
まず初めに言っておくと、誰もくっつきません。

それでもこれは、恋と愛について真正面から向き合った、真摯な青春小説だと思います。
同性愛者の苦しみを描き、それとあわせて腐女子を描き、決して腐女子を現実の同性愛者をおとしめる存在としては描かず。
三浦さんが学校で演説するところが、最高のクライマックスシーンだと思います。
ネット上の友人、「ファーレンハイト」のお家に行くシーンも印象的でした。

色々大切なことを織り込んでいるのですが、軽くサクッと読めてしまうのがよい。
テーマをしぼって、あくまで主人公視点で通して、丁寧に描いているからこそと思います。
メディアミックス展開になったとのことですが、納得のクオリティですね。

★★★ Excellent!!!

私が求めているのはリアルでもファンタジーでもない。その情報が自分にとって有益なものかどうか。
といったらつまらないけど、この作品はただ純粋に楽しむには重く深すぎたけど「知りたい」欲求に負けて読み始めた。
最近、寝る前に暇つぶしで無料コミックスを読んでいて、あまりにインパクトのあるタイトルに惹かれて。

BLやLGBT問題はあまり興味がない。雑学としてならある。
身近な問題ではないので「へー」くらいにしか思わない。でも面白いならそれが正義。
結果、めっちゃ良かった……。小説としても良作だけど、とにかく考えさせられた。
心が弱ってる時だからか分からないけど、響いた言葉がたくさんあって救われた。

全体的に描写が丁寧で分かりやすかった。作中の問題が一気に身近なものになって、各登場人物の心情がよく理解出来る。
これはぜひ物語にどっぷり浸って読んで欲しい。次に考察しながら読み返してもいいかも。
文章の書き方、言葉の選び方、登場人物やストーリーの動かし方、そして終わり方。全てが好み。

この小説は同性愛を軸に描いているけど、色んな問題に置き換えて考えることが出来る。
ひとつの物語としても楽しめるし、人生のちょっとした教本としても役に立つ名言の数々。
「自分を変えるのではなく自分の中の普通を変える」「たったひとつの特徴が自分の全てだと思うと、自分を見失う」このふたつが特に好き。
別の誰かじゃなく、自分として生きること。これがとても難しい。

現実的でありがちな青春小説。同じくらい質の良いものは星の数ほどある。
一番の魅力はなんなのか、と聞かれたら「感情が伝わって来たから」。ただの文字の羅列から、痛いくらいに心の叫びが伝わって来た。
久々に青春小説を読んだからかもしれない。でも、こんなに胸が苦しくなったものは久しくない。泣きたくても泣けないものも。
色んな感情が波のように押し寄せては返し… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

是非、タイトルにつられて軽い気持ちで読み始めてぐいぐい引き込まれて自分のように感動しながら一気読みしてほしい作品です。

主人公の内面の描写、浮かび上がる光景、状況、物語の構成、展開、全てが自分にとって感動的でした。

前半は、同世代の普通という世界に対して透明な壁を一枚隔てている感覚や、体に頭が負けている切ない背徳感にヒリヒリと共感しながら読みました。文書がすごく良くて、気分がすーっと入ってきます。

徐々に時間が進んでいって自分をどうしたらいいのかわからなくなる気持ちには、何度も一緒に苦しみました。

終業式以降の主人公の気持ちや人生への態度の変化には、ものすごい読後感と狭い自分の意識の世界を出ていけという、迷い、不安だけど力強い、青春小説の全てとも言える人への愛とエールを感じてプルプルしてしまいました。涙。

ありがとうしか言えない。この作品に出会えて良かったです!

★★★ Excellent!!!

原因のある疾患なんだと、治療をすれば治る病なんだと言ってくれ。
ああ。本当に欲しかったな。僕の、家族
僕が、僕自身が一番、期待しながら生きて来たんだ。
僕は生まれて来ただけ。ただそれだけなのに。
愛そうとはした。愛そうとはしたんだ。
それでもコウモリは、卑怯と言われてしまうのかな
中毒になる前に、離れないといけないんだろうな
良かった。貴方がそういう人で。
僕を捨てられる人で、本当に良かった。

なぜこんなにも、心が抉られるのだろうか

僕は彼らの気持ちを、理解できるようになりたい

★★★ Excellent!!!

最後の最後まで衰えない作者の筆力には脱帽です。
結末で「こう来たか」と衝撃を受けました。
感動した、などと書きたいのですがそのためには自分の立場をはっきりさせる必要がありそうなので書きません。

作中、主人公は友人に「人間は世界を簡単にしてしまう」と言われます。
そしてまた、ある女性には「世界をsimpleにすることも考え方によっては素敵だ」と言われます。
そこで私も言いたい。さらに「大きなくくり」で「簡単」にしてもいいのでは、と。
つまり、「好き」、こんな「簡単」で素晴らしい言葉があるということです。
人種、年齢、性別、そんなことは関係なく、「好き」。これも考え方を変えた「simple」ではないでしょうか。
そんな簡単な世界が来る日を望んでいます。

カミングアウトというわけではありませんが、安藤君や登場人物、皆が好きです。この作品が好きです。

★★★ Excellent!!!

衝撃を受けました。

大勢の方がレビューを書かれていますし今更このちっぽけなレビューを見るよりも読んでみろと言いたいほどに、衝撃を受けました。
冒頭から惹かれざるを得ない描写、登場人物たちのすれ違い、そして最後に心が一つになる。ストーリー構成が王道を踏まえつつも、真摯に今を生きるのに必死なLGBTの姿を描き出している。
誰もが必死で人を愛しているのに、どうしても、理屈なしで届かないという想いが痛いほど伝わります。

この作品に出会えたことで、自分はどう生きるべきかに対する考えが深まりました。できるだけ世界を簡単にしたくない、そう願っています。

最後に。それでも私は百合星に生きますまる

★★★ Excellent!!!

僕もただ三浦さんと同じように、ネット上のBLコンテンツを楽しもうとカクヨムを漁っていただけなのだが、いやはや凄い小説に出会ってしまった。窪美澄『ふがいない僕は空を見た』ばりの筆力で、ゲイの青春を、そして青春期の僕らの性を、見事に切り取っている。そしてそれは僕らの習った保健の教科書よりも圧倒的に正しい。僕はこの本(amazon様によりますと紙媒体で出版もされているようだ。日本の出版社の目利きが悪くなくてよかった)を高校生に配りたい、なんだったら、来年から始まるという、かの悪名だ書き道徳の時間の副読本になってほしい(教科書でも一向にかまわない)。まあ真剣な話、日本の性的少数者とHIVへの偏見と知識不足はほんと書いてある通りなので、これ読んで勉強してね。めっちゃおもろいから。

★★★ Excellent!!!

感動しました、と簡単に言っちゃいけない感じがするけど、でも感動しました。
人と人が少しでも分かりあおうと模索する尊さ、みたいなものがすごく刺さりました。
色んな人が出てきますが、それぞれが色んなことを自分なりに考えて行動しているのがよく伝わってきて、皆それぞれ頑張ってる、良い奴だな、という印象です。
終わり方も、全て丁寧に回収されていて読後爽快です。

★★★ Excellent!!!

少し前に書籍を読み終えました。
終盤に出てくる、ホームルームのディスカッションでの小野くんの言葉で価値観が少し変わりました。彼は良くも悪くも本当に正直者です。大切な友達のために動けるし、そのために傷つけることもしてしまいます。それでも彼が大好きで、嫉妬してしまう。あそこまでまっすぐであることは簡単なことではないから。
小野くんの言ったことは同性愛だけでなく、何か隠し事をしている人はみんな共感してしまうのではないでしょうか。自分の秘密を話すことで、周りから見える自分はそのレッテルを貼られてしまう怖さ。そのレッテルでしか自分を見てくれなくなる怖さ。私にもあるのです。今まで無意識に見ないようにしていたことの一つでした。
この小説を読んで、そのことに少しでもそれに気がつけて本当に良かったです。本当にありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

書籍化作品から、タイトルと表紙の絵柄に興味を惹かれ、読ませて頂きました。読みはじめから最後まで飽きずにいっきに読み終えました。とても登場人物が魅力的で頭では納得できる同性愛者への偏見も各登場人物ごとに世間が思ういろんな角度でぶつけていて考えさせられました。道徳的にも広く読まれて欲しいなと思える作品です。

★★★ Excellent!!!

異性愛者にとって同性愛者を「本質的に」理解できるかといわれれば、それは他者を理解しようとすること以上に難しいことなのかもしれない。いつまでも字面でしか追えないような概念だと感じる。ただ今作を読んで何が変わったかと云えば、性的愛(エロス)とは切り離された「家族愛」に代表されるアガペーの類いの存在が同様にあるのだという至極当たり前かもしれないが、見逃されがちなものの存在に気づけたことである。この本は単にLGBTに理解を示そうという内容ではない、もっと心の奥に備わっている性的コンプレックスを醸す内容となっている。
だから、LGBTに対してただ理解しようとするのではなく、まず認めることからはじめよう。では認めるとは具体的にどういうことなのかといわれれば、それはレビューの本質から逸れる上にスペースを多くとってしまうため、あえて言及はしないことにする。

★★★ Excellent!!!

書籍化一覧の中からこの作品を見つけて読破しました。表紙の絵柄とあらすじでどういう話なのか想像つかなかったからです。別に同性愛者について研究しているわけではなく、むしろ自分の周りには同性愛者の方がいるわけじゃないので馴染みがない方々でした。最も、この作品で書かれているとおり、ほっといてくれという結論に基づいて表に出ない人を考慮してます。
そして、この作品を読んで俺は何故か心をかき乱されました。少なくとも俺は馬鹿にするつもりはなくて、創作物として読んだことはあります。でも、なぜか、これは俺のことを書いていると勝手に思ってしまいました。もちろん、同性愛者のことなんてちっともわからってない俺です。そんな子供が分かった気になって送ってると思われても言い返せないです。でも、俺は何故か心に突き刺さって、読み終わったあとの描写がありありと浮かんでいます。心がかき乱され、先程から書いている『なぜか』を説明できません。俺は作品を好きか嫌いで分けて、何が嫌いかを納得するまで理解していました。この作品は嫌いじゃないのは確かですが、何が好きなのかと言われれば書けません。これは俺をさらけ出したと一文だけです。
ありがとうございます

★★★ Excellent!!!

この本と出会えて良かったです。読み始めると本当に止まらなくなりました。不覚にも出先で読んでいるときにクライマックスを迎えてしまって、涙を必死に堪えました(苦笑。その時の泣きたくなる気持ちは、ただ、悲しいとか感動したという気持ちではなかったと思います。私は、自分を自分として受け入れられる勇気を貰いました。自分は三浦さんと同じように腐女子です。暫くBL好きを隠してきました。冗談にも本気にも「気持ち悪い」と言われたことがあるからです。しかし、この本を読んで、そんな周りの声をあまり気にしなくていいんじゃないかと思えてきました。この世界には、私と『同じ』趣向の仲間がたくさんいるんだから、別に自分は孤独じゃないし、特殊でもない。そんな気持ちが芽生えてきました。この本は、腐女子を勇気づけることはテーマではないかもしれませんが、自分は自分をマイノリティに感じる環境にいるので、主人公の気持ちを自分の気持ちに少し重ねていました。
きっと、時間をおいてこの本を読んだらまた別の気持ちが出てくるんだろうな、とも思える作品です。二度目三度目とも読むのがとっても楽しみです。

★★★ Excellent!!!

淡々と進んでいく文章。休もうと思っても休めない。
「これは読まされる」そう気付いた時には遅かった。

同性愛に悩む主人公の再生のものがたり。
「ふうん」と、さほど興味のなかったテーマのはずなのに、
胸倉をぐいとつかんで、パソコンの前から放してくれない。
流れと語りの心地良さに引き込まれていく。
冷静な文章なのに、地が熱い。
とても真摯な作品だ。

内容は、とてもうまく表現されている他の方々にお任せする。

セクシャルマイノリティーの苦悩は、
あらゆる悩みに通じている。
悩みに大きいとか小さいとかはない。

あなたがあなたのままでいい世界、
何者かに成らなくてもいい世界。

世界は確実にそういう風に変わっていく、
そう感じさせてくれる小説だ。

★★★ Excellent!!!

するなと言われても、世界ってそもそもメチャクチャ複雑じゃないじゃないですか。BL星はとりあえず脇に置いておくとしても、世界には約175万種類の生物がいて、哺乳類だけでも約6千種いて、そのうちの1種であるホモサピエンスの中でも男と女がいて、色々な国があって、人種がいて、それぞれに信じる神様がいて。言葉が違えば、音楽も違う。育ってきた環境が違うから好き嫌いも否めなくて、夏が駄目だったりセロリが好きだったりするわけですよ。簡単なはずがない。

そんな複雑な世界だからこそ、なのかもしれない。少しでも単純化しようと、ティピカルな枠に押し込めようとしてしまうのは。一つの形質を形質としてカテゴライズしてしまえば、その一つ分だけは複雑な世界がシンプルになる。覚えがないとは言わないし、言えない。

好きな台詞がある。

カフェ(夜はバー)「39」の店長・ケイトさんの言葉だ。

「国や世間が認めている認めていないって、あんまり関係ないわよ。どこに居ても自分を認めている人はHappyだし、自分を認めていない人はStressを溜めている」

中盤くらいまで、正直言ってぼくは本作の主人公である純があまり好きではなかった。世界を簡単にするな。そう考えるあまり、彼自身がある意味では世界を、あるいは自分を簡単に見てしまっているように見えたからだ。しょうがない面もある。彼はまだ高校生だ。ぼくらは所々ギザギザに尖った歪な多角形で、隣り合えば尖った部分が互いに傷つけ合う。(中盤までは)殊更に無神経な言動を取る小野くんも含め、互いに傷つけあわない距離感を体得するにはまだ若すぎる年齢なのだ。

そんな若さが終盤、爆発する。

その爆発が彼に、彼らに、彼女に何をもたらしたのか。それはぜひ読者自身の目で見届けてほしい。

世界を簡単にするな。もちろん世界は簡単ではない。でも、見方を変えればどうだろうか。

誰にも認め… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

嘘ではないです、散りばめられたセンス光るセリフに何度も笑わせられました。
勢いある場面展開にも関わらず読みやすいのも筆力の為せる技なのでしょう。
しかし、タイトルに釣られストーリーにどんどん裏切られながら、彼らの葛藤から絞り出される言葉にガツンガツンと胸を抉られていく。気付けばページを捲る手が止まらない。

同性愛について考え抜かれていることは言うまでもありませんが、それ以上に、誰しもが持つ「愛」の確かさについて胸倉を掴んで問い直してしまう強さを持つ物語です。
それは読者に自己と他者とに向き合う痛みを突き付けるものでもあり、逃れられない登場人物達の痛切な苦しみが共鳴します。
だからこそ、それでもこの小説を読み終えた人が選ぶ好きな人物もセリフもシーンも十人十色で、そのどれもが重みを持つのかもしれません。
主人公の暗澹たる胸の内側からすっと視点が引いて情景が彩られる描写には思わず嘆息しましたし、BGMに流れるQUEENも切なく、美しい。

しかもずるいことにむちゃくちゃおもしろい青春小説でもあります。
これだけ作品世界に引き込んで価値観を揺さぶっておきながら、読後の余韻は爽やかで、前向きにさせてくれる、高校生達の新しい一歩の先に、読者に明日を見させてくれる。
手段誰彼構わず読ませたい、そして「軽い気持ちで読み始めたのに…」と泣かせたい。そんな一作でした。

★★★ Excellent!!!


いろんなことを考えさせられるお話です。

私たちは何かを理解する時、自分にわかるように問題をシンプルにします。シンプルにするためには、余計な部分を削らなければなりません。

これは、わからないからと削った部分を考えるお話。


感受性が強いひとには、少しきついかもしれません。ぐっさりと刺さります。私はちょっと呼吸困難に陥りかけました。でも、最後まで読んで、少し前向きになれました。共感しすぎると呼吸ができなくなる人は、どうぞ1日暇な時間があるときに一気読みしてください。

★★★ Excellent!!!

気付けば、最後まで読んでました。


何故か、涙が出ました。泣くべきは私じゃないだろうに……。


読んでいる途中、様々な感情や言葉が頭の中を埋め尽くしていた筈なのに、読み終えた時には全部無くなってました。すっからかん、と。

出てきたのは、溜め込んだ息だけでした。溜息、というか、なんとも言えない、もどかしい感情を吐いた感じ。

正直、自分でも分かってないです……。何なんだろう、このわだかまりは……。


私自身、恋愛は『男だから』『女だから』ではなく『好きだから』で良いんじゃないの、と軽く考えてしまう人間なのですが、彼の考え・思いは心に深く来ました。簡単ではないのだなぁ、と。



中々に濃い時間を過ごせました、ありがとうございます。



長文・乱文、失礼しました。

★★★ Excellent!!!

日本という国は『同性愛者』というだけで殺されるような国ではない。だけど意識的、無意識的に行われた言動によって命を絶ってしまう人たちは大勢いる。無関心を装いながら、いざ渦中に巻き込まれたら差別する。全てのマイノリティにとって日本は生きにくい国だ。主人公の安藤は、男性が好きという一点を除いては極々どこにでもいる若者だ。だが彼もいうように『同性愛者』というだけで全てが集約され、独り歩きした想像の産物に堕とされる。直接言われていい気分ではないが「気持ち悪い」という感覚は誰にでもある。同じ境遇のマイノリティの中でさえあるのだから。これは拭えない感情だろう。この物語は、二人の同性愛者の若者を通して、生と死を見つめる。主人公が踏み止まれた幸運。友人という宝物がいたことの大きさ。羨ましい。羨ましいことこの上ない。

★★★ Excellent!!!

これだけのレビューがありますから、簡潔に述べます。

読まないと損です。ただし、読む前と後で見える
世界がまったく同じであると、保証はできません。

読めば考えざるを得ませんし、考えれば見える
世界は変わってしまいます。

明らかにそういう意図の下に書かれた作品です。

しかし、読書の醍醐味とはそういうものですから、
そういうつもりで読んで頂くのがよいと思います。