世界を簡単にしない

差別とか心無い言葉とか理解とかいろんなことを気付かされる物語なのですが、私がこの作品を読んで1番反省したのは、自分でいろんなラベルを貼って、世界を簡単にしてしまっているなと思ったことでした。摩擦をゼロにすることは、私たちマジョリティ側からすると容易なことですが、何事でも少数派というか、個人としてマジョリティと向き合わなければ当事者の人たちにとってはそんなに簡単に一言で言い表せることなんてないんだと、本当の意味で個人を理解することの難しさを学んだように思います。そして、だからこその思いやり、相手の立場に立ってみることをしてみることがどれほど尊く、大切で素敵なのかこの物語を読んで気づきました。何度も読み返したい作品です。

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