16歳ー2ー

えへへ。今日はお誕生会だったのよ。


おいしいプリンにケーキ、ワッフルにブルーベリーのジャム…


それにチョコレートフォンデュだって。


いっぱい食べちゃったな。


あっ、まだほっぺにクリームがついてたみたい。


やだ、わたしったら、恥ずかしい…




ねぇ、ティミー。


わたし、今日で16歳になるの。


今日からちょっと「オトナ」になる日なんだって。


素敵な白馬の王子様と出会えるかしら。


ティミー、あなたが王子様だったらいいのに。


そうしたら、光も影も関係なくずっと一緒にいられるのに。


…でも、そんなわけにはいかないわよね。




お父様は「影のヒト」にまだ不信感を持っているみたい。


「光」と「影」が平等だって決まってからもうずっとずっと経っているのに。


お母様も、顔では笑っているけれど、きっとお父様と同じお考えよ。


私はまだ、彼らがどんな人たちなのか知らないけれど


お父様お母様がいうような怖い人たちじゃないのかもしれないわ。


私は、この「光の聖域」の外を早く見てみたいの。




だって、もう「16歳」なんだから…。


いつまでも お父様とお母様にいわれた通りの生活なんて嫌よ。




ティミー、あなたは自由でいいわね。


私たち「ヒト」と違って光の聖域と影の空間を自由に行き来できる。


私もティミーになりたいな。




あら、誰か来たみたい…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る