第11話 新たな友達?


「ふっふふ~ん♪」

今僕は、自分の机の上に、お弁当を置きながら鼻歌を歌っている。


そこに、お弁当を持った朱音あかねちゃんが来た。

「やけに機嫌がいいわね。かおる。」


そりゃそうだよー。なんたって、

「なんたって、初めての友達とお昼食べるんだもん。」


「ふ~ん?そ。」

向かい側に座り、同じ机にお弁当を広げた朱音あかねちゃん。


「なぁ、二人とも。俺も混ざってもいーか?」


誰かと思い、声がした方を見ると、

「な、中条なかじょう君!?な、なんで!?」


なんと、中条なかじょう君が、コンビニの袋を持ちながら立っていた。


「んゃ?俺も、綾瀬あやせとメシ食べたかったからな。」


「そ、そうなの?じゃあ…朱音あかねちゃん。いい?」

僕は構わないが、朱音あかねちゃんがどうかも聞かないとね。


「構わないわよ。でも、男1人もきまずいだろうし、もう1人くらい男子呼んだら?」


「う~ん。それもそうだな。ちょい待ち。」

と言うと、中条なかじょう君はスマホを取り出し、誰かと電話をし始めた。


「…あ、わたる?今昼?お、丁度良かった。一緒に食おうぜ。」

「ん?そうそう。俺の教室な。…んじゃ、よろしくー。」


電話が終わり、少し待っていると、


「こんにちは。中条涼真なかじょうりょうまが居るのはこの教室で合っていますか?」


「…お、来たな。お~い。わたる。こっちだこっち!」


中条なかじょう君が、わたる?らしき人に手を振りこっちに呼んだ。


「紹介するね。こいつは…「自分でします。」…お、おぅ…。」

中条なかじょう君が見るからに落ち込んでるよ!?

い、いいの!?


「初めまして。涼真の友達?の片桐渉かたぎりわたるです。よろしくお願いします。」

…ニコッ…とすると、朱音あかねちゃんが眉間に皺を寄せたが、すぐに治った。


彼の見た目は、170センチくらいの身長に黒髪。

メガネをしていて、見た目は真面目っぽいが、耳にピアスがされていた。


「おい、わたる。友達?じゃないだろ!親友じゃんか~!中学からの仲だろ~!?」

肩を揺さぶりながら、文句を言う中条なかじょう


「はいはい。そうですね。とりあえず座ったらどうですか?」

と、片桐かたぎり君が中条なかじょう君をなだめている。


そうして始まったお昼の時間を、4人でわいわいしながら楽しんでいた。


「あ、そういえば。神崎かんざき綾瀬あやせって、いつ仲良くなったんだ?」


「んん゛っ!?ゲホッ…ゴホッ…。」

中条なかじょう君が急に何を言い出すのかと思えば、びっくりしてむせてしまった。


「あーもう。ほら。お水。」

横から呆れたような声を出しながら、朱音あかねちゃんが水を渡してくれた。


「…ゴクッ…ゴクッ…プハァッ。ふぅ。ありがとう朱音あかねちゃん。」


「い~え。それより、さっきの答えよ。体育の時に、ペアが居なさそうだから、組んであげたのよ。」

前に向き直り、いつ仲良くなったのか、その経緯も話してくれた。


朱音あかねちゃんって優しいけど、たまに毒舌どくぜつになったりするよなぁ。)


友達になった経緯を聞いた中条なかじょう君と片桐(かたぎり)君は、顔を見合わせ、笑った。


「もう!みんなしてー!友達の作り方とか、知らないんだからぁ!仕方ないじゃんかー!」


と、僕は怒るのであった。

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