第14話 これからも

僕たちが出会ってから一週間が経った。


お昼は中条なかじょう君、片桐かたぎり君、朱音あかねちゃん、そして僕この4人で過ごすことが増えた。


朱音あかねちゃんとは親友の仲まで成長した。


最初は中条なかじょう君とバチバチしていた朱音あかねちゃんも、気付けば仲良k「くないわよ。」…。」


「ちょ、ちょっと朱音あかねちゃん!僕の心の中読まないで!」


「…はぁ?全部口に出てたわよ。」


「そ、そうなの!?わ、ごめん気を付けるね。」


口に出ていたようだ。


ただ、片桐かたぎり君の事はずっと警戒?しているみたいだ。

話を聞くと、何か裏がありそうなんだって。


(そうかなぁ?普通にいい人だと思うけどなぁ…?)


こうして、色々考えていたらお昼休みになった。

いつも通り4人集まったと思いきや、


「ちょっと片桐かたぎり。話があるから来なさい。」


「…?はい。分かりました。ちょ、引っ張らないでください。」


と、朱音ちゃんが片桐かたぎり君の手を引っ張り、連れ出してしまった。


いきなりのことに、僕と中条なかじょう君は固まってしまった。

二人きりになるのもあの放課後以来なので、緊張してしまい、なんとか話題を絞り出す。



「な、なんだろうね?朱音あかねちゃん。片桐かたぎり君とどっか行っちゃったけど…。」


「さぁ?なんか用事でもあるんだろ。」

中条なかじょう君は、焼きそばパンを頬張っている。


「そっかぁ…?」

(や、やばい。話し終わっちゃった。どうしよう~!)


「なぁ。綾瀬あやせ。」


「んっ!?な、何かな?中条なかじょう君?」

急に呼ばれた僕は、ビクッと肩を跳ねさせ中条なかじょう君の方を見る。


「お前さ、実は俺の事苦手だったりする?」


「…へっ?な、なんで?」

急に真面目な顔になった中条なかじょう


「……いや、なんでもねぇ。」

そういって、立ち上がる中条なかじょう君の制服を掴み、引き止める。


「ま、まって!あ、あのね?聞いてくれる?」

涙目になりながら、中条なかじょう君を見上げると、


「っ!?わ、分かったから。そんな泣きそうな顔すんな。」


頭にポンと手を置かれた僕は、恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にし、下を向く。


しばらくして落ち着いて僕は、


「た、たしかにね?最近までは苦手だったよ?でも、こうやって仲良く話したり、お昼食べたりしているうちに、苦手な感情は消えて、むしろもっと仲良くしたいって思うようになったよ?」


ハッと気づいた僕は、両手を左右に振りながら、


「あ、でもでも、迷惑だったりとかだったら全然断ってくれてもいいし、無理に話す必要もない…よ?」

僕は首をかしげながら言う。


「そうか。嫌われてわないのか。そっか…。」

中条なかじょう君は、安心したかのように胸を撫で下ろしていた。


「う、うん。だから、これからもよろしくね…?」


「おう!」



お互い握手をし、お昼ご飯を堪能した。

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