第2話 クラスのムードメーカー


「みんなおはよーう!!これからよろしくなー!」


と、大きな声とともに

肩に鞄を掛けた男子が入ってきた。


金髪でピアスを付け、第2ボタンまで開けているチャラそうな男子。

身長は180センチくらいだろうか。


彼の名前は確か中条涼真なかじょうりょうま


僕と同じ中学校で、人気No.1だった気がする。


中学校が同じだからといって、仲が良いわけでもない。

かといって、悪いわけでもないのだが。


そんな彼はというと


「おー!それ最近人気のアニメだよな!」

「あ、それ俺も好きなんだよ~!」

「ちょ、やめろよ~(笑)」


みたいな感じでどんどんクラスメートと仲良くなっていくのだ。


そんな彼の事を僕は少し苦手だ。

なぜそんなすぐ仲良くなれる?


そうこうしているうちに先生が来た。


「お~い。席に着け~。」

するとぞろぞろと席に座りだす。



「よし、みんな席に着いたな。」

「おはよう。これから入学式だから、体育館に移動してくれ。」


体育館に着くと、式が始まる。

長々と続く校長の挨拶が終わり、閉式となった。


そして、先生から

今日の流れを説明され、帰る時間となった。

「あーっと、悪い綾瀬。このあと少し残ってくれ。」


「え?あ、はい。」

なんで僕・・・?


「すまんな綾瀬。この教材を教室まで運ぶのお願いできないか?」


「分かりました。」


これ、一人で運ぶ量じゃなくない…?

今どういう状況かというと、顔がほとんど隠れるくらいまであるその教材を一人で運んでいる。


あまりの重さに、体のバランスがとれなく、フラフラしてしまう。

そして、階段を上ろうとしたとき、足を滑らせてしまった。


(あ、これやばいやつだ…)


目をつむり、痛みを覚悟したとき、


「あっぶな…」

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