第19話 まさかの遭遇
「ほ~ら!いいから早く見せなさい!」
「い・や・だ!引っ張らないで!」
僕たちが今何をしているかというと、試着室のカーテンを引き合っている。
私服を選び、着たのはいいものの、恥ずかしくて試着室から出られずにいる。
「あ、足元に虫…。」
「え、ウソ!?ひゃっ!?」
まんまと騙された僕は、足元を見た瞬間に、カーテンを引かれてしまった。
「っ!?な、中々に似合うじゃないの。」
「な、なんで背けるの!?やっぱり似合ってない?」
背けた理由を聞くが、
今の僕の服装は、
白く、ちょいひざ下くらいまであるワンピースを着ている。
股がスースーして落ち着かない。
「と、とりあえず、それは購入!絶対!」
「え、えぇ?わ、分かったよぅ。」
そうして会計を終えた僕は、ベンチに座ってぐったりとしていた。
「頑張ったわね薫。はい、ジュース。」
「うぅ~。ありがと
「結構買っちゃったわね。私服。」
「そうだね~。まぁ、必要になるし、仕方ないね。」
そうして一息ついているところに、
「なぁなぁ。そこの女の子達。今暇?俺たちと遊ばねぇ?」
ナンパだ。3人かな?
「ごめんなさい。私たち暇じゃないので。
ね?
「え?う、うん。忙しいね。
「へぇ?
諦めが悪いのか、男性達が僕と
「い、痛っ。」
「ちょ、ちょっと!離しなさいよ!」
「まぁまぁ。怖くないからさぁ~!」
連れていかれる…!そう思った時だった。
「おい」
「すみません。」
「…!!」
低い声が聞こえ、後ろを確認したら、
「な、
「
「おう。
「畏まりました、お嬢様。」
「な、なんだよ。彼氏いたのかよ。さ、さっさと言えよな!?」
その様子にビビった男性達は、足早に去っていった。
「あ、ありがとう。
「いえいえ。
「そ、それより
聞きそびれたことあったんだ。
「な、なによ?」
「なんで、
「っえ、えぇ!?な、なんのこと?気のせいじゃない?というか、それを言うなら
「うっ。話逸らさないでよ~!
「っえぇ。」
「ぐふっ」
「フフッ」
「あ、あれ?」
その様子を見て、
「
と、
「あ、あれ?どうしたの?」
僕は状況が分からず、
「
「えっ?う、うん。前も撫でられたし、よく撫でられるよ?」
前にもされたことを説明すると、
「な、なんだよ!文句あるか!?」
「ふーん?撫でるのが好きなんだね?」
「なるほど。撫でるのが好きと?」
「で、でもでも、撫でられるの好きだから…いいよ?」
と首を傾げ、恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして
「っ!わ、わぁぁぁ!?い、いいから!とりあえず一緒にご飯とか行こうぜ!」
「お、いいですね。」
「さんせーい。
「い、いいから早くしろ!」
その後に、続くように
さらにその後ろを、慌てたように着いていく僕。
今日は騒がしい1日になりそうだなぁ。
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