第21話 思い出作り


「あぁ~。食った食った!美味かったな~。」


「そ、そうだね、」

中条君のその発言に僕は苦笑いで答える。

なぜかというと、


「まさか、あれからさらにピザとかも頼むなんて…。胃袋どうなってるの…?」


そう。ステーキの後にピザを食べていたのだ。

…おかしい…よね?


「うっしゃ!次はどこ行こうか。」


皆が3分くらい悩んでいるとき、


「ゲームセンターとかどう?」


「おぉ!それだ~!んじゃ、レッツゴー!」

朱音あかねちゃんのその一言で、ゲームセンタへと決まった。



ゲームセンターへ着いた僕たちは、まずエアホッケーへとやってきた。

2 VS 2でやるので、ペアを決めようと思ったが中条なかじょう君が、


「さっきのファミレスの横ペアでいいよな?」

といって、僕の隣に来た。


(そ、そっか!朱音あかねちゃんと片桐かたぎり君…!)

「う、うん!そのペアでいいよ!むしろそうしよ!」


朱音あかねちゃんは嫌そうな顔をしたが、中条なかじょう君が朱音あかねちゃんに何やら耳打ちをすると、ニヤリと笑いながら納得してくれた。


中条なかじょう君?朱音あかねちゃんに何言ったの?」


「っえ!?あーいや、今度飲み物奢るよって。」


「そうなんだ?それくらいなら別に耳打ちする必要なくない?」

何かを隠していそうな雰囲気に気付いた僕は、中条なかじょう君の顔をじっと見つめる。


「ほ、本当だって!ほら、早くやるぞ!」


なぜか顔をらされ、手を引っ張られホッケー台の立ち位置に着いた。


「…?むぅ。まぁいいや。」


それから僕たちは、ゲームセンターで目一杯楽しんだ。


「そろそろ時間になりますね。」

「そうね。そろそろ帰りましょうか。」

腕時計を確認した朱音あかねちゃんと片桐かたぎり君が、皆にそう告げた。


外へ出ると、あたりはすっかりと暗くなっていた。


前に僕と中条なかじょう君。後に朱音あかねちゃんと片桐かたぎり君。


それぞれ横並びになりながら歩いていた。


「楽しい時って、なんで時間過ぎるの早いんだろうね~?」


「たしかになー。ちょっと物足りないよなぁ~。」

僕と中条なかじょう君はまだ元気だが、朱音あかねちゃんと片桐かたぎり君は呆れた顔をしていた。

……なんで?



「…ところで皆さん。」


片桐かたぎり君がメガネをクイッと上げながら、


「もう少しでテストですが、しっかりと勉強されてます…?」


ピシッと中条なかじょう君と僕の動きが止まった。


「て、テス…ト?き、聞き間違いか?なぁ?綾瀬あやせ。」


「そ、そうだよ!テストとか、聞こえるわけ!は、ははは~。」

うんうん!こんな楽しい日に聞こえるわけないもん!


「だ、だよなぁ?焦ったわぁ。ってことで綾瀬あやせ。」

横で、ダラダラと汗をかいている中条なかじょう君。


う、後ろから何やら圧迫感が…!!!


「そう…だね。逃げよう!」

そう言って中条君と共に走り出した途端、


「うぐっ!?」

「うにゃっ!?」


中条なかじょう君は片桐かたぎり君に、僕は朱音あかねちゃんに。


両方とも首根っこを掴まれていた。


「ねぇ?涼真りょうま…?君、確か中学の頃順位下の方だったよね…?」


「い、いやぁ!?そうだったけなぁ!?てか離せ~!」


「…ニコッ。」

真っ黒い笑みを浮かべながら中条なかじょう君を黙らせていた。


「か、かわいそうに…ね?朱音あかねちゃ「何言ってるの?」…え…?」


朱音あかねちゃんからとは思えない声の低さに。ビックリして後ろを見ると、


「ヒィっ!?」


片桐あかね君と同じように真っ黒な笑みを浮かべた朱音あかねちゃんが居た。


「薫…?ちなみに聞くわね?中学の頃の順位は?」


「え、え~っと。お、覚えてな「覚えてない。」…!?」


「なんて。言わないわよねぇ?か・お・る?」


「は、はひっ!!120人中115位…でした。」


「はぁ!?最下位も同然じゃないの!!よく高校入れたわね!?」


「わ、わぁ!?が、頑張ったもん!!」


突然大きな声を出す朱音あかねちゃんに、ビックリしながらもなんとか逃れようと対抗する。


「はいはい。いいから、勉強するわよね…?ねぇ?」


「は、はぃ…。させていただきます…。」

結局圧に負け、勉強をすると言ってしまった。



こうして僕と中条なかじょう君の、地獄のべんきょ「薫?ニコッ」


ヒッ!?



楽しい楽しい!!勉強会が!!始まりました!!!!

……これでいいよね?

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朝起きたら銀髪美少女ってことあるの? ゆう @Yuu_3156

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