第4話 どちらさま?


・・・ピピピッ・・ピピピッ・・・ピッ。


「・・・ん。」

朝からうるさい目覚ましを消し、体を起こす。


「ねむい…」


・・・・・・ん?

なんか、声が高い…?


「あーあー。ん゛ん゛っ。あ~」

あれおかしいな、治らない。

・・・まぁいいや。とりあえず顔洗お。


そうして洗面台へ行き、鏡を見る。


・・・・・・え?は?

鏡に映っていたのは、銀髪ロングの女の子だった。

「う~ん。まだ寝ぼけてるのかな。」


目をこすって再度確認する。

しかし、鏡の前に居るのは変わらなかった。

まさかと思い、首をかしげてみた。


すると、鏡の中の女の子も首をかしげていた。


・・・え。


「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」


「ちょっとかおる!!朝からうるさ…」

洗面所へ入ってきたお母さん。


「どちらさま?」


「いや、僕だよ!かおる!」


「えぇ!?嘘でしょ!?かおるなの!?」

必死に説得し、なんとか落ち着き始めた。


「なるほどね。それで朝起きたらそうなっていたと。」


「うん。僕にもよくわからなくて。」

するとお母さんは、


「ふ~ん。まぁいいわ。じゃあこれからは女の子として過ごしなさいな。」


「いやいやいやいや!?さすがに無理があるよ!?」

「というか、切り替え早くない!?」


えなんでこんな落ち着いてるの!?

息子が娘になったんだよ!?


「といってもねぇ…?原因が分からない以上、どうしようもできないじゃない?」

「それに、かおるが男でも、女でも、私の子には違いないもの。居てくれるだけで嬉しいわ。」


「うっ…。そ、そっか…。」

そう言われてしまっては、何も言い返せない…。


「とりあえず、こっちで調べておくから、かおるは学校へ行ってらっしゃい?」


「えぇ…。この姿で…?」

この姿で行くの…?絶対に目立つじゃん…。


「そうよ?当たり前じゃない。ほら。早く着替えていきなさい。」


「はぁ~い。」

返事をし、自分の部屋に戻る。


「ほんと、何が起こってるんだ…?」

考えながら制服へと袖を通す。



「それじゃ、行ってきま~す。」

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