1 - 6 ヒカルの友好(成長)
ヒカルとタクは三、四日、この
ゴウが毎日来て、
ゴウは、
ヒカルとタクも、公園内の東屋近くの方に移動した。
だいぶ時間が経ってから、パトカーとトラックが複数台来たようだった。
夕方になると、ゴウが約束通りにやって来た。
「タクは
コーラの入っていた缶を地面に置いて、離れた所にヒカルが立つ。ゴウが言った通りに人差し指を立て、その先に意識を集中する。
驚いた。
卓球の球くらいの光のそれが発現したのだ。
「よし、飛ばしてみろ」
ヒカルが前方に腕を伸ばすと、光の球が空き缶の方へと進んでいった。ひゅるひゅると頼りなく、最後は空き缶に掠っただけの感じだ。それでも倒れた。
ゴウは、
「上出来だ……」
次の日の日中、公園の芝生で寝っ転がっていると、女の子が近づいてきて、
「あのー、すみません」
タクが気づいて、
「ああ、昨日の。怪我はなかったでしょうか?」
「はい。有難うございました。お礼を言いたくて……」
ヒカルも思い出したことがある。
「ちょ、ちょっと待ってて」
彼は、自転車の方に走っていき、急いで戻ってくる。
「これ。どうしたらいいかと思っていたところなんだ」
彼女が昨日、風で飛ばしてしまったキャップである。
「あ、有難うございます。……この帽子、お気に入りなんです」
「良かった……」
三人でしばらく話したのだった。
「わたし、
彼女は、何度も礼を言ってから去った。
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